超薄型パソコンや第5世代高速無線LANなど,明日の生活を変革する機器とデバイスに注目 ―― 2012 International CESレポート

福田 昭

tag: 組み込み 半導体

レポート 2012年1月20日

●第5世代の超高速無線LAN伝送を実演

 無線通信用チップの大手メーカである米国Broadcom社は,本展示会の開催直前である2012年1月5日に,第5世代の無線LAN「5G WiFi」に対応したコントローラICファミリを発表した.無線LAN技術にはこれまで,IEEE 802.11a/b/g/nの4世代の共通技術仕様が存在する.第5世代の技術仕様は「IEEE 802.11ac」と呼ばれる.搬送波の周波数帯域は5GHz帯であり,最大で1.3Gbpsの超高速通信を可能とする.

 CESの会場では,このBroadcom社のIEEE 802.11ac対応コントローラICを搭載した無線LANルータを,パソコン周辺機器メーカであるバッファローの米国法人であるBuffalo Technology社が,試作機でしてデータ伝送を実演してみせていた(写真12写真13).約800M bpsと,無線LANとしてはきわめて高いデータ伝送速度が出ていた.

 

写真12 第5世代の無線LAN IEEE802.11acの伝送を実演

データ伝送速度をリアルタイムに測定した結果をディスプレイに表示していた.およそ800M bpsの速度が出ている.

 

 

写真13 IEEE 802.11ac対応コントローラICを搭載した無線ルータの試作機

 

 

●PICマイコンでスマートフォンのアクセサリを開発

 大手プロセッサ・メーカの米国Microchip Technology社は,同社のマイクロコントローラ「PICマイコン」を使ってスマートフォンやメディア・タブレットなどのアクセサリを開発するキットを展示していた(写真14).米国Apple社のスマートフォン「iPhone」に対応した製品や,米国Google社のOS/ミドルウェア「Android」を搭載したスマートフォンに対応した製品などが用意されていた.

 

写真14 スマートフォン用アクセサリの開発キット群

 

 

●MRAMの容量が64Mビットに到達

 MRAM(磁気メモリ)の開発ベンチャ企業である米国Everspin Technologies社は,次世代のMRAMであるスピントルクMRAMを開発し,2012年第2四半期にサンプル出荷を始めると表明した(写真15).記憶容量は64Mビット.これまでに製品化されたMRAMの最大容量は16Mビットなので,MRAM製品としては最大の記憶容量になる.入出力インタフェースはDDR3であり,小容量DRAMの代替を狙うとする.

 

写真15 次世代磁気メモリ(スピントルクMRAM)の説明パネル

 

 

ふくだ・あきら
フリーランステクノロジーライター
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