環境・エネルギー関連のビジネス動向について米国のコンサルタントが解説 ―― 第2回 ECNテクノロジ&ビジネス研究会

Tech Village編集部

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キャッチアップ 2012年1月30日

 2011年12月16日(金)に,東京・巣鴨のCQ出版セミナ・ルームにて,「第2回 ECNテクノロジ&ビジネス研究会」が開催されました.ECNテクノロジ&ビジネス研究会は,ECN Productsのスポンサ企業などを対象とした協業促進や新事業開発を目指した勉強会です.

 今回は,米国シリコンバレーを中心に活動しているコンサルタントの阪口 幸雄氏(Cando Advisor社 技術担当パートナー)に,「米国における環境関連ビジネス『CleanTech』の最新動向」というテーマで講演していただきました(写真1).阪口氏はエネルギー問題,太陽熱発電,蓄電,LED照明などの分野を得意とするビジネス・コンサルタントです.

 

写真1 阪口 幸雄 氏による講演の様子

 

 阪口氏はまず,米国の発電事情について紹介しました.米国では,石炭による発電が約1/4,天然ガスによる発電が約1/4,原子力による発電が約1/4を占めます.中近東諸国の対応に左右されないように,国家安全保障上の理由で石油による発電(約13%)への依存度を減らしているそうです.また,日本の電力需要は比較的一定であるのに対して,米国の電力需要は伸び続けています.こうした背景を理解していないと,米国におけるスマート・エネルギーやEV(電気自動車)の動向を見誤る可能性があります.

 続いて同氏は,再生可能エネルギーの動向について説明しました.2009年に米国で新規に追加された発電能力の55%が再生可能エネルギーによるもので,その中で風力発電と太陽光(熱)発電が大きな伸びを示したそうです.ただし,再生可能エネルギーには,自然まかせでコントロールできない部分があります.米国や欧州では,発電設備を大量に導入することで,発電量の平準化を図っています.例えば米国の中で緯度が低く,晴れの日が多いアリゾナ州,ネバダ州,カリフォルニア州に多くの大規模太陽光発電施設が設置されています.

 同氏は,さらに米国の送電事情についても解説しました.米国内の電源の周波数は60Hzと一定なのですが,位相のずれが存在するため,国内が三つの送電網に分かれています.そこで,超伝導直流送電の技術を利用して,それらの間をつなぎ,電力を融通できるようにすることが検討されています.加えて,米国エネルギー省(DOE)の補助金やベンチャ・キャピタルの投資の状況などについての紹介もありました.

 本研究会の最後には懇親会が行われました.講師や聴講者が互いに情報交換を行い,コミュニケーションを深めました.

 

■本研究会についてのお問い合わせ
CQ出版 クロスメディア部 ECN研究会事務局
TEL:03-5395-2354,E-mail:fujita@cqpub.co.jp

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