PICマイコンを使って測定ツールを作ってみよう(6) ―― PIC12F1822を搭載したRS-485ネットワーク対応のセンサ基板を作成
前回の記事(本連載第5回)では,マルチインターフェースのPICマイコン基板に温度センサを接続して簡易温度測定を行い,その推移をパソコンの画面上にグラフ表示した.今回はこのマルチインターフェースPICマイコン基板と新たに作成した各種センサ基板をRS-485ネットワークで接続し,各種センサ基板で取得したデータをマルチインターフェースPICマイコン基板を経由してパソコンへ転送する.マルチインターフェースPICマイコン基板にはPIC18F2550を搭載したが,センサ基板にも「PIC12F1822」というPICマイコンを組み込んでいる.センサ基板としては,温度センサ基板のほか,湿度センサ基板,赤外線センサ基板,紫外線センサ基板,交流電力センサ基板を作成した.なお,本連載で紹介したマルチインターフェースPICマイコン基板と各種センサ基板は,一部修正を加えてCQ出版WebShopでの販売を予定している.
エレキ系DIY・連載「PICマイコンを使って測定ツールを作ってみよう」 バック・ナンバ
第1回 クロック周波数やモータの回転数を測れるカウンタを作る(前編)
第2回 クロック周波数やモータの回転数を測れるカウンタを作る(後編)
第3回 Visual BasicでPICマイコンを制御する
第4回 ネットワークでセンサ・データを集めて省電力生活を目指す
第5回 ネットワークとA-Dコンバータを利用してさまざまな場所の温度を測る
番外編 ガイガー・カウンタを作ってみた
前回は,温度センサとして米国National Semiconductor社の「LM35DZ」を採用し,ユニバーサル基板上にこの温度センサとOPアンプを実装し,PICマイコン基板のA-D変換入力に接続して動作させました.1個のセンサだけならこれでもいいのですが,センサを多数使っていろいろな場所の温度を同時に測定したい場合は,ネットワークを利用したほうが便利です.このとき,センサにもネットワーク接続機能があると,取り扱いやすくなります.
これまでは,ネットワークICが高価だったり,マイコンが必要だったりと,センサ1個にそういう機能を持たせた場合,相応のコストがかかりました.しかし最近では,ネットワークICやマイコンが安価になってきました.とくにRS-485インターフェース・トランシーバICは比較的安く,簡単にネットワークを構成できます.
今回は,各種センサに8ピンのPICマイコンとRS-485インターフェース・トランシーバICを付けて,小型基板にまとめました.センサ以外の回路は共通化したので,ほかのセンサ基板を作るのも容易です.接続プロトコルはそのまま利用できます.
●5種類のセンサ基板を作成
筆者は5種類のセンサ基板を作成しました.センサ基板の外観と回路図を図1~図5に示します.
図1 温度センサ基板
(a) 外観
(b) 回路図 ※ マウスでクリックするとPDFファイルが開きます
図2 湿度センサ基板
(a) 外観
図3 紫外線センサ基板
(a) 外観
図4 赤外線センサ基板
(a) 外観
図5 交流電力センサ基板
(a) 外観