計測装置から歪み補正LSIまで,平面ディスプレイを支える基盤技術が一堂に ―― FPD International 2011
●非接触表面形状計測装置に層断面形状計測機能を追加
菱化システムは,非接触表面形状計測と層断面形状計測(透明積層体の非破壊計測)の二つの機能を備える計測装置「VertScan 2.0」を展示した(写真6).本計測装置は「光干渉方式」を採用しており,光学方式では難しかった微細表面粗さの計測や,広い視野でのnmレベルの段差計測が行える.ガラス(透明体)を透過した表面形状計測なども行える.
写真6 菱化システムが展示した「VertScan 2.0」
一度保存した計測データをブラウザで確認できる「ブラウザ機能」や,実施した解析をコマンド・リストに自動登録する「マクロ機能」などを備えている.また,GUIは日本語になっている.
●鉄や紙,プラスチック,フィルムなどの散乱特性を測定
サイバネットシステムは,鉄や紙,プラスチック,フィルムなどの散乱特性を測定できる材質散乱測定システム「IS-SA(imagingSphere Surface Appearance)」を展示した(写真7).開発元は米国Radiant Imaging社.光源の配光測定評価やディスプレイの視野角測定評価,材質などの散乱特性(BRDF/BTDF)評価に利用できる.
写真7 サイバネットシステムが展示した「IS-SA(imagingSphere Surface Appearance)」
本測定システムは,発光面全体の特性を一度に測定できる.測定時間は10秒弱.外光の影響は受けない.材質本来の特性を調査でき,参照光の位置は任意に変えられる.同社の輝度・照度・色度測定システムである「ProMetric」を受光部に搭載すれば,絶対値を測定可能.
きたむら・としゆき
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