非接触給電技術やモバイル太陽電池技術に注目 ―― TECHNO-FRONTIER 2011 レポート
2011年7月20日~22日,エレクトロニクスとメカトロニクスに関する展示会「TECHNO-FRONTIER 2011」が東京ビッグサイトで開催された(写真1).TECHNO-FRONTIERは複合展示会であり,電源技術,バッテリ技術,ノイズ対策技術,環境発電(エネルギー・ハーベスティング)技術,モータ技術,熱設計技術,メカトロニクス技術などの数多くの要素技術に関する展示会で構成されている.テーマが絞られていないので,一見では分かりにくい展示会であると言えるし,意外な興味深い展示物に遭遇する驚きのある展示会だとも言える.
本レポートではエレクトロニクスの技術や製品などに関する興味深い展示物を紹介する.今回は,非接触給電や太陽電池,蓄電システムなどの電気エネルギー関連の展示が目立っていた.
●非接触給電の実演コーナに人だかり
TECHNO-FRONTIER 2011では,非接触で電力を伝送する技術「非接触給電技術」の実演コーナ「ワイヤレス給電技術デモコーナー」が設けられ,来場者の注目を集めていた.非接触給電を実演したのは,昭和飛行機工業,スミダコーポレーション,東光である.
昭和飛行機工業は,非接触給電によって車両が線路走行する模型を試作し,給電と走行を実演してみせていた(写真2).車両の停止地点で,車両に搭載された電気二重層コンデンサを充電する.停止時間はほんの数秒と短い.充電が完了すると,車両は電気二重層コンデンサのエネルギーによって楕円形の線路を2周し,再び停止地点で充電する.車両の上面には赤色で充電中,緑色で放電中を示す発光表示があり,充放電の状態を来場者に分かりやすく表示していた.
この実演は,無人搬送台車(AVG:Automatic Guided Vehicle)への応用を想定したものである.荷物を出し入れする停止地点でAVGのバッテリを充電することにより,AVGのバッテリ交換を不要にする(あるいは交換頻度を少なくする)ことをねらう.
スミダコーポレーションは,同社のコイル製品を応用した非接触給電システムで動作する,さまざまな模型を見せていた.コイルを使って電力を中継伝送していく模型や鳥がはばたく模型,水中の発光ダイオード(LED)に給電する模型などがある(写真3,写真4).
東光は,非接触給電用のテーブルを試作し,展示していた(写真5).テーブルの給電台に置くことで照明が点灯したり,扇風機が動いたり,チェスの駒が光ったりする.
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