高解像度3Dモニタや貼るだけの裸眼3Dシートなど,3D立体視の応用製品に注目集まる ―― 第19回 3D&バーチャルリアリティ展(IVR)
●3Dレーザ・スキャナで非接触計測データを高速収集
リーグルジャパンは,3Dレーザ・スキャナ「RIEGL VZ-400」を展示した(写真5).本レーザ・スキャナでは,赤外線レーザ・ビームと高速スキャニング機構を組み合わせて,非接触計測データの高速収集を実現している.レーザ距離測定の際には,同社独自のエコー・ディジタル処理とオンライン波形分析機能を利用して,劣悪な気象条件下でも測定できるという.また,複数のターゲットのエコーを測定することも可能.
ライン・スキャニングには高速回転の多面ポリゴン・ミラーを用いている.GPSや傾斜計などを標準装備しており,モバイル環境などでも利用しやすい.パソコンを用いないスタンドアローンのデータ収集にも利用できる.
3.5インチTFTカラー・ディスプレイ(320ピクセル×240ピクセル),多言語メニュー,音声メッセージ用のラウド・スピーカなどを備えている.専用のソフトウェア「RiSCAN PRO」を利用すると,LANまたはWAN接続により,パソコンからの遠隔操作が行える.オプションのディジタル・カメラ(Nikon D700)と組み合わせると,校正された高分解能カラー画像を出力できる.例えば,建築物や橋梁,地形などの測量,都市モデリングなどに利用される.
●モーション・キャプチャの映像を瞬時に3D化
ゼロシーセブンは,赤外光を使用する高速撮影用カメラ「Oquas」(製造はQualisys社)を利用した光学式3次元モーション・キャプチャ・システムのデモンストレーションを行った(写真6).本システムは,QTM(Qualisys Track Manager)制御ソフトウェア「QTM FX」と高い反射率の素材を使った反射マーカを利用して,高精度なトラッキングを実現している.
Oquasのバッテリ・オプションを利用すれば,携帯型のパソコンといっしょにシステムを持ち運べる.QTM FXは,さまざまな角度からの運動データの観察,再生・コマ送り,スティック・フィギュアや運動軌跡の表示などが行える.撮影時にDVビデオやWebカメラなどを同期して映像を取り込んだり,再生したりできる.
Autodesk社の「MotionBuilder」のプラグインを用意しており,高解像度,高速サンプリングの映像を,すぐに3D化できる.これにより,モーション・キャプチャの課題とされていた編集時間やコストを大幅に削減できるという.
きたむら・としゆき