高解像度3Dモニタや貼るだけの裸眼3Dシートなど,3D立体視の応用製品に注目集まる ―― 第19回 3D&バーチャルリアリティ展(IVR)

北村 俊之

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レポート 2011年6月24日

 2011年6月22日~24日の3日間,「第19回 3D & バーチャルリアリティ展(IVR)」が,東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催された(写真1).今回で19回目を迎える本展示会は,3Dグラフィックスやバーチャル・リアリティ(仮想現実感),シミュレーション技術,およびそれらの応用製品が一堂に会する専門展示会である.製造業の研究・開発部門のほか,広告,ディスプレイ装飾業,アミューズメント業,官公庁・地方自治体,建設業,放送・映像製作など,幅広い産業分野の研究者や開発者への情報提供の場となっている.主催はリード エグジビジョン ジャパン


写真1 会場受付の様子

 

 バーチャル・リアリティ技術は,商品開発や医療,エンターテイメントなど,幅広い分野で実用化され,より簡単な環境で利用できるように開発が進められている.また,震災対策や復旧にも3Dグラフィックス技術が活用されており,地震や火災,原発事故などに際して,安全に避難するためのシミュレーションや,被災地域を360°カメラ搭載自動車が走行した映像なども公開された.

 同時開催は「第22回 設計・製造ソリューション展(DMS)」,「第15回 機械要素技術展(M-Tech)」,「第2回 メディカル テクノロジー EXPO」.

 

●2枚のLCDとハーフ・ミラーを使う4K-3Dモニタを展示

 レッドローバージャパン / 計測技術研究所は,27.8インチ型の4K液晶パネルと4Kの信号変換,画像変換の回路を組み合わせた「4K-3Dモニタ」を展示した(写真2).本モニタは,2枚の液晶ディスプレイ(LCD)パネルとハーフ・ミラーを組み合わせており,従来の3Dモニタと比べてより解像度の高い画像を表示できるという.偏光インターリーブ方式や視差バリア方式で見られる縦横の解像度落ちが生じず,液晶ディスプレイの解像度を生かした高精細の3D表示を実現している.


写真2 レッドローバージャパン/計測技術研究所の「4K-3Dモニタ」

 

 用途としては,4K-3D映像編集・検証,医療・科学技術用4K-3D表示装置,4K-3D撮影用モニタ,博物館や科学館などの4K-3Dモニタが挙げられる.また,2チャネル出力が可能なグラフィックス・ボードと3D表示ソフトウェアがあれば,パソコン画像を手軽に4K-3Dモニタに表示できるという.

 

●メガネ不要の裸眼3DシートでiPhoneやiPadを3Dディスプレイ対応に

 グローバルウェーブは,ピクトロニクスが開発した裸眼3Dシート「Pic3D」シリーズを展示した(写真3).本3Dシートは,従来の裸眼3Dシステムと比較して,安価で簡単に装着できることを特徴としている.また,従来の視差バリア方式の暗さやレンチキュラ・レンズ方式の視野角の狭さなど,裸眼立体視の欠点を克服しているという.


写真3 グローバルウェーブの「Pic3D」シリーズ 

 

 液晶ディスプレイにシートを装着すると,ディスプレイが裸眼3D対応になり,サイドバイサイド方式の3D画像を専用アプリケーションを用いて視聴できるようになる.iPad 2用(1024ピクセル×768ピクセル),iPhone 4/iPod touch G4用(960ピクセル×640ピクセル),12.1インチ用(1280ピクセル×800ピクセル),15.6インチ用(1366ピクセル×768ピクセル),21.5インチ用(1920ピクセル×1080ピクセル),23インチ用(1920ピクセル×1080ピクセル)の6種類を用意する.

 予定価格は,23インチ用が15,000円前後,iPad2用が5,000円前後.

 

●720pのハイビジョン3D撮影が可能な手のひらサイズのビデオ・カメラを展示

 レッツコーポレーションは,720pのハイビジョン3D撮影が可能な手のひらサイズのビデオ・カメラ「3D sunday pocket HD camera」を展示した(写真4).外形寸法は118mm×72mm×23mm,重量は約148g.3D/2D動画撮影と3D/2D静止画撮影に対応する.


写真4 レッツコーポレーションの「3D sunday pocket HD camera」

 

 本体上部に二つのレンズ・マイク・ユニットを備える.イメージ・センサには1/2.5型の500万画素CMOSセンサを採用する.レンズは35mm判換算で45mm相当,絞りはF2.5固定,撮影距離は1m~∞.

 動画記録の解像度は1280ピクセル×720ピクセル,圧縮方式はAVC H.264,3D方式はサイドバイサイド.静止画の解像度は2592ピクセル×1944ピクセル.本体内蔵メモリは128Mバイトで,最大32GバイトのSD/SDHCメモリ・カードを利用できる.本体背面には,視差バリア方式を採用した2.4型の裸眼3D液晶ディスプレイ・モニタを搭載する.視距離は約30cm.

 3Dで記録した映像は,HDMIケーブルを介して接続したサイドバイサイド対応の3Dテレビや3Dモニタに表示して視聴できる.

 

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