ホビーならではの素材を扱えるプリンタやはんだごて応用のウッド・バーニング用電熱ペンを展示 ―― 第35回 2011日本ホビーショー
「楽しさ広がる．好き深まる」をテーマに，さまざまなジャンルの手作りホビーを一堂に集めたイベント「第35回 2011 日本ホビーショー」が，2011年4月27日～29日の3日間，東京ビッグサイト（東京都江東区）にて開催された（写真1，写真2）．主催は社団法人 日本ホビー協会．
写真1 会場受付の様子
写真2 会場入り口の様子
今回で35回目を迎える本展示会は，多くの企業が出展するトレードショーであるとともに，消費者が会場でモノ作りを体験し，その反応や声をビジネスにフィードバックする"B to C to B"型の2Way（双方向）マーケティング・ショーと位置づけられている．展示会場では，近年盛り上がりを見せている"デコ"をさらに進化させた"てづくり デコ Re メイク"をコンセプトとして，メイン・イベント「デコーる マジック ワールド」を展開した．コンセプトの「Reメイク」とは，ハンカチをドレスに，グラスをフラワーポットになど，クリエータのひらめきやセンス，工夫が新たな価値を吹き込む，すなわち「新しい価値の創出」を実現する概念だという．
また，各ワークショップやイベント・ステージなどの体験コーナに加えて，より専門性の高い「ニットEXPO」，「CREATE YOUR STYLE ビーズ＆デコ・アクセサリーEXPO」，「スクラップ＆コラージュEXPO」，「DIY・ホームデコEXPO」という四つのエリアを新設した．同時開催は，「第4回 ホビークッキングフェア2011」（主催は社団法人 流通問題研究協会と社団法人 日本ホビー協会）．
●スクラップ・ブックやグリーティング・カードなどを手軽にプリント
キヤノンは，スクラップ・ブックやグリーティング・カードなどをプリントできるコンパクト・フォトプリンタ「SELPHY」を展示した（写真3）．本プリンタでは，メモリ・カードを差して画像を選ぶだけで，写真のプリントが完了する．印刷時に熱でインクを気体に変化させる方式を採用しており，人物や風景の色合いがなめらかになるという．温度で色の濃淡を調整するので，インクに粒状感がなく，色の階調や鮮やかさなども忠実に再現できる．また，プリント工程の最後に，特殊なフィルム処理（オーバコート仕上げ）で写真をカバーする．
写真3 キヤノンの「SELPHY」
1枚の用紙に，複数の画像をランダムに配置（最大8画像または最大20画像）してプリントできる．配置したい画像の数が規定数より少ない場合は，プリンタが自動的にバランスよく配置する．オプションのBluetoothユニット「BU-30」（別売）を差し込むと，Bluetooth対応の携帯電話から画像を転送して，プリントできる．さらに，パソコンとUSBケーブルで接続して，パソコンに保存した画像をプリントすることも可能．
●スクリーン印刷用マスタに原稿データを製版
理想科学工業は，スクリーン印刷用マスタに原稿データを製版できる「GOCCOPRO 100（ゴッコプロ 100）」を展示した（写真4）．Tシャツやチームウェアといったオリジナル・デザイン・プリント・サービスなどの店頭ビジネス，およびテキスタイル・デザインや造形教育など，クリエイティブ分野での利用を想定しているという．
写真4 理想科学工業の「GOCCOPRO 100」
本機は，本体に格納したロール状のマスタに製版するディジタル・スクリーン製版機である．サーマル・ヘッドでマスタに穿孔するため，乳剤による製版とは異なり，薬品や水を使わない完全ドライ方式の製版を実現できる．外形寸法は605mm×680mm×735mmと小さく，デスクサイドに設置できる．乳剤を使う製版で必要となる露光・現像のための暗室，紗張機，水洗いなどの設備は不要．
●毎分3000個の小粒の石をカウント
一心堂嶋野は，毎分最大3000石をカウントするカウンタ「DATA COUNT JR」（開発・製造はイスラエルのData Technologies社）を展示した（写真5）．宝石デザインの複雑化などに伴い，より小さな石やダイヤモンドが必要とされている．これらの小粒な石は，これまでピンセットや専用のへらを利用して人間が直接数を数えていた．しかし，非常に作業が細かいため，数え間違いが発生しやすく，また時間のかかる作業になっていたという．
写真5 一心堂嶋野が展示した「DATA COUNT JR」
本カウンタは，0.5mm～3.0mmの小粒の石を1分当たり最大3,000個カウントできる．また事前に設定した数の石を数えたり，石を直接ポリパックに入れたりできる．宝石用の石だけでなく，ガラス・ビーズやライン・ストーンなど，さまざまな形状の石をカウントすることも可能．
