工場で使われる検査用カメラやFAパソコン,高速伝送ボードなどが一堂に ―― 国際画像機器展 2010レポート
●同軸ケーブル1本で映像を高速伝送するCoaXPressに対応
アバールデータは,CoaXPressに対応した画像入力ボード「APX-3662」(写真5)や,PCI Express(8レーン)に対応したエリア・カメラ専用画像入力ボード「APX-3311」(写真6)などを展示した.
「APX-3662」は,同軸ケーブル1本で6.25Gビット/sの映像伝送を可能とする高速インターフェース規格のCoaXPressに対応する.マルチタップ出力カメラに対応した画像並び替え機能を備えている.また,画像バッファとして512MバイトのDDR3メモリを搭載する.
エンコーダ信号入力(RS-422)による画像入力制御が行える.さらに,画像入力制御/エンコーダ開始用の外部トリガ(TTLまたはオープン・コレクタ)を備えており,外部からの信号により画像入力を開始できる.オプションとして,画像処理機能を組み込む拡張ユニット「PSM-3318-02」も提供する.
「APX-3311」には,PoCL(Power over CameraLink)-Lite規格に対応したカメラを4台まで接続できる.各チャネルは,同期,非同期のどちらでも動作可能.画像バッファとして,各チャネルごとに64Mバイト,合計256Mバイトのメモリを搭載する.カメラごとにストロボ・タイミング用出力,および12本の外部トリガ用入力(フォト,TTL,RS-422)を装備する.また,ボード間同期の機能を備えており,これにより複数ボードによる同時取り込みを行える.
●モバイル端末を利用して遠隔地で医療用画像を閲覧
トライフォーは,iPhoneやiPad,Android搭載のモバイル端末を利用した医療用の遠隔画像閲覧システム「ProRad DiVa」を展示した(写真7).医療用の診断画像は,通常,PACS(Picture Archiving and Communication Systems)サーバに蓄積され,医師はそのサーバにアクセスして画像を閲覧する.本システムを利用すると,医師が外出先から3G通信あるいはWi-Fi通信を介してPACS画像を閲覧できる.センタにはPACSサーバに加えて,DiVaサーバを設置している.これにより,患者の匿名化や画像圧縮,画像閲覧医師の抽出を行ったり,医師への閲覧依頼の通知を行う.
閲覧にあたっては,色調の変更,画像の回転,DICOM画像に登録されている患者情報や撮影情報などの確認を行える.1,000枚以上ある画像を連続的に閲覧することも可能.また,PACSサーバまたはDiVaサーバに3D画像が登録されている場合には,3D表示も行える.
本システムは,VPN(Virtual Private Network)アクセスを前提としている.パスワードを設定して,患者を匿名化したり,患者番号を消したりできる.
●六つのLEDを搭載するディジタル・マイクロスコープを展示
オプトサイエンスは,米国AVEN社が開発したUSB対応のディジタル・マイクロスコープ「Mighty Scope」を展示した(写真8).本マイクロスコープは六つのLEDを搭載しており,指定した個所を高分解能・高倍率で細部まで表示できる.130万画素のCMOSセンサを搭載する.
LEDのON/OFF,本体のコントロール・ホイールによる明るさの調節,10倍~200倍の倍率設定を本体のみで行える.使用形態として,ハンドヘルド・モードとスタンド・モードがある.いずれの形態でも,マイクロタッチ・シャッタ・トリガによる画像取り込みが行える.スタンドおよび画像を取り込むためのソフトウェアが付属する.
きたむら・としゆき