「どこかで見たような」Android端末が続々登場 ―― CEATEC JAPAN 2010

北村 俊之

tag: 組み込み Interface

レポート 2010年10月14日

 2010年10月5日~9日,「Digital Harmony―もっと快適に,もっとエコに」をテーマに,幕張メッセ(千葉県美浜区)にて「CEATEC JAPAN 2010」が開催された(写真1).主催は情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ),電子情報技術産業協会(JEITA),コンピュータソフトウェア協会(CSAJ).世界15カ国・地域から616社が出展した.

写真1 会場全体の様子

 展示会場は「電子部品・デバイス&装置ステージ」と「デジタルネットワークステージ」に分けられ,デジタルネットワークステージには「ビジネス&ソサエティ」と「ホーム&パーソナル」の二つのゾーンが設置された.また今回は,日本型スマート・グリッド(次世代電力網)を世界に向けてアピールする特別展示「スマートグリッドイノベーション2010」が併設された.

●Android搭載スマートフォンの実機に長蛇の列

 「デジタルネットワークステージ」で来場者の大きな関心を集めていたのは,au(KDDI)とNTTドコモがこの秋に発売を予定しているAndroid搭載のスマートフォン,「IS03」と「GALAXY S」である.両社のブースでは,展示されている実機に長蛇の列ができていた.

 auが2010年11月下旬に発売を予定している「IS03」(シャープ製)は,「IS01」に続く2台目のAndroid端末となる(写真2).フロント面に3.5インチ(960ピクセル×640ピクセル)のタッチパネルを搭載しており,ここで主な操作を行う.キーボードは搭載されていない.本機の大きな特徴は,これまでのスマートフォンではサポートされていなかった「おサイフケータイ」(FeliCa),ワンセグ,赤外線通信(IrSimple対応),携帯電話事業者のEメール(@ezweb.ne.jp)などをサポートしたことである.これらの機能は,既存の携帯電話ユーザを取り込むのが目的であるという.OSはAndroid 2.1を搭載しており,マルチタッチやライブ壁紙にも対応している.ディスプレイは,メイン・ディスプレイであるNewモバイルASV液晶と,メイン・ディスプレイが非表示状態でも時計や電池残量などを表示できるメモリ液晶を組み合わせたコンビネーション液晶を採用している.Flash Lite 4.0を搭載しており,Flash対応のWebページの閲覧が可能となっている.CPUは1GHz動作のSnapdragon(QSD8650),内蔵メモリの容量は512Mバイト.外形寸法は約63mm×121mm×12.6mm,重さは約138g(外形寸法,重さとも暫定値).オートフォーカス対応の有効画素数957万画素CDDカメラを搭載している.ボディ・カラーはオレンジ,ホワイト,ブラックの3色を用意した.

写真2 auの「IS03」

 対するNTTドコモは,2010年10月下旬に発売を予定している「GALAXY S(SC-02B)」(韓国Samsung Electronics社)を展示した(写真3).OSは最新バージョンであるAndroid 2.2を搭載している.本機は2010年5月から欧州,米国,東南アジアなど,世界21カ国で約500万台販売されているモデルである.ディスプレイには,4.0インチ(480ピクセル×800ピクセル,ワイドVGA表示)のスーパー有機EL(SUPER AMOLED)を採用しており,10000:1のコントラストと高い色再現性を実現している.タッチパネルは,マルチタッチに対応しており,ピンチイン/アウト操作が可能.Android 2.2を搭載しているので,パソコンと同様にFlash 10.1対応のWebサイトを閲覧することができる.カメラは,オートフォーカス対応の500万画素CMOSイメージ・センサを搭載しており,HD動画(1280×720ピクセル)の撮影と再生が可能.通信機能は,下り最大7.2Mbps/上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードに加え,IEEE 802.11b/g/n準拠の無線LANと,最大24Mbpsでデータ転送が可能な「Bluetooth 3.0」をサポートしている.CPUはSamsung Electorics社製「S5PC110(1GHz動作)」を採用しており,内蔵メモリの容量は16Gバイト,外部メモリ(microSD)の容量は最大32Gバイト.外形寸法は64mm×122mm×9.9mm,重さは約118g.おサイフケータイやワンセグ,赤外線通信には対応していないが,「spモード」や「ドコモマーケット」などが利用できる.ボディ・カラーは,メタリックブラック1色のみ.同社では,さらに5機種のスマートフォンを2010年11月に予定している冬モデルの発表会で公表する予定.その中にはおサイフケータイやワンセグなどに対応するモデルも含まれるという.

写真3 NTTドコモの「GALAXY S(SC-02B)」

 NTTドコモのブースで,来場者の注目が高かったもう一つの製品は,2010年11月下旬以降に発売が予定されているタブレット型Android端末「GALAXY Tab(SC-01C)」(Samsung Electronics社製)である(写真4).本機は,同社のスマートフォンとしては初めてのタブレット型である.ワイドSVGA表示(600ピクセル×1024ピクセル)対応の7インチTFT液晶を採用している.OSは「GALAXY S(SC-02B)」同様,Android 2.2を搭載している.タッチパネルはマルチタッチに対応しており,「SNS browser」,「World Clock」,「Daily Briefing」など多数のウィジェットがプリインストールされている.「spモード」や「ドコモマーケット」に対応しており,通信機能はIEEE 802.11a/b/g/nやBluetooth 3.0,DLNA(Digital Living Network Alliance)に対応している.通話も可能だが,レシーバを備えていないため,スピーカから音声を出力するか,ヘッドセットを使って通話することになるという.カメラは有効画素数が約320万画素CMOSイメージ・センサのアウトカメラと,有効画素数が約120万画素のインカメラを搭載しているが,テレビ電話には対応していない.また,同社が2010年10月下旬から12月下旬にかけて実施する,電子書籍のトライアル・サービスにも対応する予定であるという.動画などのリッチ・コンテンツを長時間利用できるように,4000mAhの大容量バッテリを備えており,連続待ち受け時間は約1450時間(GSMの場合は約1160時間)となっている.

写真4 NTTドコモの「GALAXY Tab(SC-01C)」

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