SSDが高速性を誇示,NAND型フラッシュは低コストの64Gビット品が登場 ―― Flash Memory Summit 2010
フラッシュROMとその応用製品に関する世界最大のイベント「Flash Memory Summit 2010」が,2010年8月17日~19日,米国カリフォルニア州Santa ClaraのSanta Clara Convention Centerで開催された(写真1).
Flash Memory Summitは,製品や技術などに関する講演会と展示会で構成される.開催に合わせて主要なベンダが新製品をリリースするので,新製品のお披露目の場所ともなっている.そこで本レポートでは新製品を中心に,展示会や講演会などの模様を報告する(写真2).
●1,500本超のDVD品質の動画を一つのSSDから再生
Flash Memory Summitの展示会場で最も目立っていたのは,SSD(Solid State Drive)ベンダの米国Fusion-io社によるデモンストレーションだろう.1台の高速SSDからDVD品質の動画を1,500本以上も同時に取り出し,16枚の大型液晶ディスプレイに再生表示してみせた(写真3).SSDは同社が8月18日に製品発表したばかりの大容量高速SSD「ioDrive Duo」である.
デモンストレーション・システム(写真4)では,「ioDrive Duo」から読み出した1,500本を超える動画データをネットワーク・スイッチ経由で16台のディスクレス・サーバに渡す.1台のサーバがグラフィックス・ボード経由で1枚の液晶ディスプレイに90本を超える動画を表示した.
「ioDrive Duo」は記憶容量が320Gバイト/640Gバイト/1.28Tバイト.読み出しデータ転送速度は1.5Gバイト/s(320Gバイト品),書き込みデータ転送速度は1.5Gバイト/s(3品種共通)ときわめて高い.読み出し入出力速度(入出力/s)は26万1,000/19万6,000/18万5,000,書き込み入出力速度(入出力/s)は26万2,000/28万5,000/27万8,000と,これも非常に高速である.この高い性能を生かすため,入出力インターフェースはPCI Expressの4レーン/8レーンまたはPCI Express Gen 2の4レーンとなっている.
●切手よりも小さな64GバイトSSD
SSDではこのほか,フラッシュROM応用製品の大手ベンダである米国SanDisk社が8月18日に,外形寸法が16mm×18mm×1.8mmと非常に小さいSSD「iSSD」のサンプル出荷を始めたと発表した(写真5).最大容量は64Gバイト.BGAパッケージに封止してある.Flash Memory Summitのキーノート講演で,SanDisk社のCEO(最高経営責任者)を務めるEli Harari氏が「iSSD」を紹介した(写真6).
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