インテグリティな技術コラム(4) ―― ラプラス変換からフーリエ変換へ
付録
● ラプラス変換とフーリエ変換
.........(付1)
.........(付2)
.........(付3)
.........(付4)
● 部分分数展開
部分分数展開とは,分母が因数分解されている分数を,それぞれの因数を分母とする分数の和に分解することです.言葉で説明するとかえって面倒なので,例をあげます.通分による和の計算の逆と考えてください.
.........(付5)
二つに分解するのは簡単そうですが,三つ以上になると少し面倒になります.
.........(付6)
分母は分かっています.分子を求める方法は,これも高校のときに習いましたが,二つの方法があります.いずれの方法も,分母が分かっているので,それぞれの分子をA,B,Cなどの未知数にして式(付7)の恒等式を立てます.
.........(付7)
そして,式(付7)の分母を払って,xの多項式にします.
.........(付8)
ここまでは二つの方法について共通ですが,二つのうち,より簡単な方法を紹介します.
式(付8)はxについての恒等式なので,都合のよいxの値を入れます.
まずAを求めるために,BとCの係数をゼロにします.すなわち,とすると,が得られます.次に,AとCの係数をゼロにするために,とするとが得られ,同様にしてとしてを得ます.高校のときには,この方法は必要条件なので十分条件を確認する必要があると習ったと思います.
もう一つの方法は,式(付8)の右辺を展開して,xのべき順に並べます.
.........(付9)
に対して,xの係数が左辺と右辺とで等しいので,A,B,Cについての連立方程式(付10)を得ます.
.........(付10)
この連立方程式をA,B,Cについて解くと,前の方法と同じ解を得ます.この第2の方法は必要十分条件を満たしています.
● フーリエ積分の例
図5の波形の周期はTなので,積分区間を0~Tとして,
.........(付11)
となります.
折れ線の各区間は,正負のランプ波形か定数の1なので,
...(付12)
となります.式(付12)の右辺のte-jωtの積分は,部分積分の公式
.........(付13)
を用いて,
.........(付14)
と置くと,
.........(付15)
と求めることが出来ます.式(付15)を式(付12)に用いて,
.........(付16)
となって,式(14)と同じ結果を得ました.式(12)から求めるほうがはるかに容易ですね.
うすい・ゆうぞう
シグナル インテグリティ コンサルタント
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