インテグリティな技術コラム(3) ―― ラプラス変換による分布定数の解

碓井 有三

tag: 実装

コラム 2010年6月11日

●境界条件と係数方程式

 微分方程式の一般解に図2の境界条件を入れて,積分定数を求めます.


図2 境界条件


 近端(x=0)は,

 

の関係があります.式(6)および式(7)x=0を代入すると,近端の電圧と電流は,

 

なので,これらを式(12)に代入して,

 

を得ます.

 遠端(xl)の境界条件は,

 

です.遠端の電圧と電流は,式(10)および式(11)xlを代入して,線路の片道の伝搬遅延時間をτとすると,

 

なので,

 

 となります.式(16)式(18)式(19)を代入して,

 

を得ます.式(15)および式(20)A1(s)とA2(s)とに関する連立方程式です.このA1(s)およびA2(s)は式(10)および式(11)の係数なので,この連立方程式を解くと,任意の場所の電圧と電流を求めることが出来ます.

 さて,式(15)式(20)を,A1(s)とA2(s)について解きます.未知数が二つなので,どんな方法でも簡単に解けますが,ここでは行列式を使って解きましょう.

 まず,行列表記すると,

 

となります.次に係数の行列式を求めます.

 

 A1A2は,

 

 と求まりました.近端と遠端それぞれの反射係数r1およびr2は,

 

なので,式(23)および式(24)は,

 


となります.

 式(26)および式(27)式(10)に代入すると,

 

 が得られました.式(28)および式(29)をラプラス逆変換すると,時間応答が得られます.

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