続・統合開発ツールで"ラクラク"マイコン開発 <ARM編> ―― IAR Embedded Workbenchを使った開発を体験してみる

山際 伸一

●プロジェクトを作成する

 まず,プロジェクトを作成します.手順を図2に示します.Cプロジェクトのmainを選ぶと,自動的にmain.cがプロジェクトに追加されます.


図2 IAR Embedded Workbenchでのプロジェクト作成

 ここでは,まっさらなC言語ファイルができるわけではなく,main関数のひな形ができます.これをビルドすると,プロジェクトの最低限の設定ができます(図3).

ビルドできたら,main.cにリスト1のコードを入力します.前述記事のリスト2とまったく同じコードです.

 

図3 ビルド(メイク)の仕方

 

リスト1 mainプログラムの例

#include <LPC23xx.H>

int main (){
  int j;

  SCS = SCS | 1; /* FGPIO Select */
  // LEDはP1[18]に接続されているので、これをデジタルI/Oに設定
  PINSEL1 =0;            /* GPIO Select */
  PINMODE1=0;            /* PullUp Enable */

  /* LED点灯制御設定 */
  FIO1DIR =0x00040000;  /* P1[18] OutPut */
  FIO1MASK=0x00000000;  /* P1[18] Non Mask */

  // LEDの点滅
  for(;;){
    FIO1PIN =0x00040000;  /* P1[18] '1' -> LED OFF */
    for(j=0;j<100000;j++){}
    FIO1PIN =0x00000000;  /* P1[18] '0' -> LED ON */
    for(j=0;j<100000;j++){}
  }
  while(1){}
  return 1;
}



実は,ここまでのところで,ARMプロセッサだけであれば,動作するコードが出力されています.しかし,ARMプロセッサは,LPC2388という特殊な環境で動作するので,それに合わせた環境設定が必要です.このデバイス設定も含めすべて,KEILの場合と同様に簡単にラクしてこのあたりは設定できるようになっています.

 図4に,LPC2388向けの設定方法を示します.コードや細かなスクリプトのようなものは記述せず,メモリ領域や動作モードなどを指定できます.この設定は一つのダイアログで項目別に設定しています.手作業ですべてを記述する場合と比べて作業量が激減することが分かります.

 


図4 LPC2388向け設定

すべて,一つのダイアログで設定可能.

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