マイコン&FPGA開発の流れと開発ツール ―― 組み込みシステム開発の基礎知識(後編)

内座 浩文,大池弘泰

8.論理回路設計とFPGA開発ツール

 ここからは,FPGAに実装するディジタル回路の開発(以降,「FPGA開発」という)について説明します.FPGAの開発工程を図15に示します.



図15 FPGAの開発工程と開発ツール

FPGAベンダから提供されているツールは,FPGA開発工程の全体にわたって活用できる.

 


 FPGAの開発ツールは,FPGAベンダから提供されており,FPGA開発工程の全体にわたって活用できます(表3).例えば,Altera社の「Quartus II」やXilinx社の「ISE Design Suite」,Lattice Semiconductor社の「ispLEVER」,Actel社の「Libero」などがあります(図16).また,それぞれ機能を限定した無償版も提供されています.

表3 FPGA開発ツール

 



図16 FPGA開発ツールの例
ISEの画面を示す.


 

 FPGAベンダが提供する開発ツール(以降,「FPGA開発ツール」と呼ぶ)は,大きく以下の三つの機能を持ちます.

(1)設計入力
 近年のFPGA設計の多くでは,ハードウェア記述言語が用いられます.そこでテキスト・エディタの機能を持ちます.独自の設計言語入力の機能を持つものもあります.

 また,ANDやORなどの回路図記号を使って論理回路を入力することもできます.回路図エディタの機能を持ちます.

(2)インプリメンテーション
 入力された設計情報から,FPGAで動作する回路に変換する機能が提供されます.論理合成,配置配線,タイミング解析やマクロ生成といった機能も含まれます.

(3)書き込み
 ボード上のFPGAまたはコンフィグレーションROMに,専用ケーブルを経由して,コンフィグレーション・データを書き込む機能が提供されます.FPGA開発ツールに組み込まれているほか.Xilinx社の「iMPACT」のように単独で実行できるものもあります.

 専用ケーブルとしては,Altera社の「USB-Blaster」,Xilinx社の「PlatformCable USB」,Lattice Semicon
ductor社の「ispDOWNLOAD」,Actel社の「FlashPro」などがあります(写真6).


写真6 ダウンロード・ケーブルの例
USB-Blasterを示す.

 

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