QNX OSがx86からPowerPC,ARM Cortexへとサポートを拡大 ―― QNXジャパン テクノロジ イノベーション コンファンレンス レポート
●車載機器のソフト開発に特化したソリューション
それから,QNXソフトウエア・システムズで技術マネージャをつとめる稲見和典氏が,「QNX CAR:次世代車載システムのための統合ソフトウェア開発ソリューション」と題して講演した(写真5).QNX CAR(Connected Automotive Reference)とは,次世代の車載システムに向けたソフトウェア開発プラットホームである.リアルタイムOSのQNX Nutrino上でミドルウェア群QNX Aviageが動き,その上で車載機器のさまざまなアプリケーションが動く(図4).
講演では「デジタル計器クラスタ」と呼ぶグラフィックス表示のアナログ・メータ(図5)や,「ヘッドユニット」と呼ぶダッシュ・ボードの液晶タッチパネルで空調やオーディオなどを操作するユーザ・インターフェース,「クラウド」と呼ぶ自動車と外部のネットワークを接続する仕組みなどがアプリケーションの事例として紹介された.
●システムを1秒以内に起動する
講演会以外には,10周年を記念するイベント(顧客表彰とケーキ・カット)(写真6)や,ミニ展示会(テーブルトップのブース形式)が開催された.
ミニ展示会では,システムを高速に起動する展示が興味深かった.コントロンテクノロジージャパンのボードの展示である(写真7).QNX社の高速ブート技術「fastboot technology」を組み込んでいる.体感では1秒足らずでシステムが立ち上がり,3次元グラフィックスが液晶パネルに表示される.QNX社のOSを搭載した場合とWindows CEバージョン6.0を搭載した場合について,実際の起動時間の違いを示していた.
ふくだ・あきら
テクニカルライター/アナリスト
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