暮らしに役立つ新QC七つ道具(4) ―― 連関図法:「関連」を「整理」する
●連関図を使って関連性や原因を論理的に整理する
Z(ツェット)くんが書いていた図を「連関図」といいます.連関図を用いて因果関係を整理する方法は,連関図法と呼ばれています.
連関図法とは,目的と手段が複雑に絡み合っており,問題に対する要因が複数あって関連性が複雑である,といった場合に,それらの関係を論理的に結ぶことで情報の整理を行います.いろいろと応用のきく技法ですが,一般的には原因分析に使うものとして紹介されることが多いようです.
連関図は,構造としてはQC七つ道具の「特性要因図」と似ています.ただ特性要因図は一つの特性に対し,複数の構造化された要因を持つツリー型の表現形式であるのに比べて,連関図はツリー型を含めたさまざまな表現形式をとることができる点が違います.連関図は,特性要因図をより汎用的にしたものと考えると分かりやすいかもしれません.
今回の話では,個人の考えをまとめるのに連関図を使用しましたが,連関図の有効な使い方としては,グループで作成を行うという方法もあります.グループで連関図の作成を行うと,考えていることが見えやすくなるので,お互いの合意を取ることが容易になりやすいという利点があるのです.
筆者も,以前に顧客とユーザ・インターフェースの検討を行ったときに,連関図を用いて複雑な機能を整理した経験があります.このやり方で合意をとると納得感があるので,後でもめることが少なくなるようです.
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次回は「系統図法」を取り上げます.お楽しみに.(^ ^)
くにひろ・よういち
◆筆者プロフィール◆ 国広 洋一(くにひろ・よういち).東京多摩在住の組み込み系ツール企業勤務エンジニア.『基本から学ぶソフトウェアテスト
』の勉強会に参加したことをきっかけに,社外の勉強会にときおり参加しています.TEF(Testing Engineer's Forum;ソフトウェアテスト技術者交流会)やSQiP(Software Quality Profession,スキップと発音する)の勉強会に行くと会えるかも.TestLink日本語化部会のメンバでもあります.オープン・ソースのテスト管理ツールであるTestLinkをどうぞよろしく.
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