暮らしに役立つ新QC七つ道具(1) ―― 親和図 : 「似たものどうし」を「整理」する
この連載では,定量データを用いる「QC七つ道具」では分析が困難な定性データを使用し,品質管理(QC:Quality Control)において利用されている七つの技法「新QC七つ道具」について解説する.今回は,似たもの(親和性の高いもの)をグループ化することで問題を明確にし,解析や構造化するのに役立つ「親和図法」を取り上げる. (編集部)
● 新QC七つ道具とは何か
新QC七つ道具とは,言語データを品質管理に生かすためにまとめられた技法です.QC(Quality Control)活動は,もともと製造物の品質向上を目指して製造部門で始まったものです.その活動が成功したことから,検査や製造だけでなく,営業や開発,企画など,全社に活動を展開したTQC(Total Quality Control)活動へと発展してきました.
しかし,品質管理の範囲を全社へ広げたことにより,一つの問題が生じました.それは言語データで代表されるような定性的な情報を扱う必要性です.
QCでは,事実に基づいたデータを管理することが基本ですが,事実は数値で表わせるものばかりではありません.使い勝手やデザインなど,感覚的なものは言葉で表わされます.これらも事実に基づいたデータであることには変わりがないのですが,数値化することが難しいためにQC七つ道具による分析は困難です.
そこで,そのような定性的なデータの分析を行いたいという要求に応えるために提案されたものが,新QC七つ道具なのです.
新QC七つ道具は,主に計画段階の検討や,定量的なデータが手に入らない場合の解析に役立ちます.具体的には以下のものです.
- 親和図法
- 連関図法
- 系統図法
- マトリックス図法
- アロー・ダイヤグラム法
- PDPC法
- マトリックス・データ解析法
また,QC七つ道具と新QC七つ道具は,相互に補い合うような関係になっていますので,局面に応じて組み合わせて使えるようになると,より効果的な使い方ができます.
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