リアクションする「ドラえもん」をセンサ,ニューラル・ネット,電子ペーパで実現 ―― 東京おもちゃショー2009 レポート

北村 俊之

 「おもちゃで世界を笑顔に」をテーマに,2009年7月16日~19日の4日間,「東京おもちゃショー 2009」が東京ビッグサイト(東京都江東区)にて開催された.今回で48回目を迎える本展示会には,132社の企業や団体(国内110社,海外22社)が出展し,およそ36,000点のおもちゃが展示された(写真1).主催は社団法人 日本玩具協会.


[写真1] 東京おもちゃショー2009 会場の様子

 

 2008年度における玩具の市場規模は,店頭価格ベースで6,636億円,前年度比98.8%と前年実績にほぼ近い数字となっている.特に玩具の中核を占めるカード・ゲーム,ジグソー・パズル,知育教育玩具などの10分野に限ると,市場規模は3,909億円で,前年度比101.7%の売り上げを達成している.

●21世紀型(!?)のコミュニケーション・ロボットを展示

 バンダイは,ドラえもんアニメ放映30周年を記念して,ドラえもんの誕生日の2009年9月3日から発売する21世紀型コミュニケーション・ロボット「Myドラえもん」を展示した(写真2).ボディの全高は約16.5cmと小さい.赤外線・近接センサ,光センサ,音響センサ,温度センサが7カ所に搭載されており,状況に合わせて反応する.これら複数のセンサからの入力を,内蔵するニューラル・ネットワークで解析し,応答を決定しているという.例えばドラえもんがユーザを探して,ユーザの方を向いておしゃべりをしたり,おしゃべりに合わせたリアクションをする.また,ドラえもんの目の部分には,玩具では初めてとなるペーパ液晶(電子ペーパ)が採用されており,おしゃべりや状況に合わせた10パターンの目の表情により,喜怒哀楽が表現される.価格は31,500円.


[写真2] バンダイの「Myドラえもん」

 

●地球儀にペンタッチして知りたい情報をテレビで見る

 エポック社は,地球儀にペンタッチすることで,知りたい情報をテレビで見られる「TV地球儀」を展示した(写真3).本地球儀と家庭のテレビを接続し,付属のタッチペンで地球儀をタッチすると,テレビ画面に表示されている地球から,世界の国々や首都,世界遺産などの情報をクローズ・アップして見ることができる.検索機能も搭載されているため,探したい国名などをキーボードにペンで入力するだけで,テレビ画面で情報を見ることができるという.また,「太古の恐竜図鑑」,「カブトムシ・クワガタムシ図鑑」,「ワールド・クイズ」,「チャレンジ・ゲーム」など豊富なコンテンツを搭載しており,入学前の児童から大人まで幅広い層が楽しめる内容となっている.


[写真3] エポック社の「TV地球儀」

 

●1台のコントローラでキャリアとヘリコプタを操作

 シー・シー・ピーは,1台のコントローラでキャリアとヘリコプタをコントロールできる「ハニービー3ch ミッションキャリアーS.W.A.T」を展示した(写真4).キャリアについては,フルアクション走行に加えて,リア・パネル開閉,エレベータ昇降などの操作が可能.さらに,これらのアクションに連動したサウンド(アラート音など)やライト(パワー・ランプ,警告灯)などのギミックも搭載している.キャリアに搭載できるヘリコプタには,同社の従来製品(ハニービー3ch)と同じように,ボタン操作による前進のほか,上昇・下降,左右回転,LEDライトの点灯などの操作を行える.充電は,コントローラと接続して行う.本製品は,「日本おもちゃ大賞 イノベーション・トイ部門」で優秀賞を受賞している.


[写真4] シー・シー・ピーの「ハニービー3ch ミッションキャリアーS.W.A.T」

 

●“人工知能”を搭載した全高3.4cmの二足歩行ロボット

 タカラトミーは,全高は3.4cmの二足歩行ロボット「ROBO-Q」を展示した(写真5).ROBO-Qは,オート・ボタンを押すとAI(人工知能)モードに移行する.本体左右に搭載した「障害物認識ユニット」から情報を得たあと,データベースから最適な行動を選んで回避や追跡などの動作を自動で行う.また,コントローラを使用し,前進・左右の旋回といった動作や,みずからコントローラまで歩いて充電するといった動作を行える.遠隔制御には赤外線通信を採用する.電源はコントローラが単3型アルカリ電池4本,本体がリチウム・イオン・ポリマ2次電池(内蔵)となっている.本製品は,「日本おもちゃ大賞 イノベーション・トイ部門」で優秀賞を受賞している.


[写真5] タカラトミーの「ROBO-Q」

 

●野球盤の電光掲示板に得点や球種,応援アニメを表示

 エポック社は,電光掲示板を搭載した野球盤「野球盤ライブスタジアム」を展示した(写真6).得点やイニング数,ストライクやボールなどの球種(SBO)を電光掲示板に表示できる.電光掲示板に付いているさまざまなボタンを押すことで,リアルな実況サウンドを出力したり,応援アニメーションがスクリーン上に表示されたりする.実況の音声には,現役の実況アナウンサを起用しているという.


[写真6] エポック社の「野球盤ライブスタジアム」

 

●自宅で簡単に餃子やワンタン作りが楽しめる

 バンダイは,料理やお菓子作りが楽しめる「クックジョイシリーズ」の第10弾として,餃子やワンタンが簡単に作れる「餃子メーカー くるりんパオ!」を展示した(写真7).本玩具は,ローラの上に餃子やワンタンの皮を置き,具材をのせ,ハンドルを1回転させるだけで,餃子やワンタンを包むことができる.1台で餃子用とワンタン用のローラを用意しており,ハンドルも左右に付け替えることができるため,利き手を問わず利用できるという.


[写真7] バンダイの「餃子メーカー くるりんパオ!」

 

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