組み込みシステムの「高信頼,安心・安全」,きちんと考えていますか?
組み込みシステムには,厳しいリソース制約やリアルタイム性の確保など,いくつかの特徴があります.そして,これらと並んで重要となるシステム要件が,高い信頼性や安全性,およびセキュリティの確保です.これらをひっくるめて「ディペンダビリティ(Dependability)」と呼びます.
例えば,医療機器や自動車,工作機械などを制御する場合,システムが誤動作を起こすと多大な損害が発生します.ときには人命にかかわるトラブルになる場合もあります.また,家電製品などの民生機器であっても,リコールによって市場出荷後に製品の回収が発生すると,大きな損害が生じます.
組み込みシステムを開発するにあたっては,こうした誤動作の発生を防止したり,誤動作が発生したときの影響を最小限に抑えるための対策を事前に検討しておく必要があります.
組み込みネットでは,組み込みシステムの「高信頼,安心・安全」にかかわる情報として,以下の記事を掲載しています.
●技術解説「あの事故はなぜ起きたのか!!」
第1回 安全ライフサイクルの考え方 田辺 安雄,吉岡 律夫 著
第2回 バトンタッチを確実に 田辺 安雄,吉岡 律夫 著
第3回 エビデンスとしての文書 田辺 安雄 著
第4回 How to リスク分析 川原 卓也,櫛引 豪 著
第5回 マネージメント規格IEC61508に基づく安全度水準の求め方 吉岡 律夫 著
第6回 機能安全の認証 北村 邦明 著
●技術解説「設計品質確保の思想 ―― 航空宇宙エレクトロニクスに学ぶ『信頼性設計』」
檜原 弘樹 著
●技術解説「車載システムにおける高信頼性と電力管理機能の実現 ―― ソフトウェアにもフェイル・セーフの考えかたが必須」
岡澤 幸一 著
●技術解説「自動車分野の機能安全規格に対処する実務ガイドライン「MISRA-SA」を知る ―― 自動車業界の要請はCコーディング・ガイドラインから安全性解析へ」
二上 貴夫 著
「高信頼&安心・安全」についてのセミナを開催
さて一般に,組み込みシステムの信頼性や安全性,セキュリティの情報はなかなか表に出にくいものです.Webの記事などでは紹介しにくいケースが少なくありません.そこで組み込みネットでは,組み込みシステムの「高信頼,安心・安全」について,専門家やマネージャの方にレクチャしていただく機会を設けました.
2009年7月30日(木)に東京・巣鴨のCQ出版セミナ・ルームにて,CQブレークスルー・セミナ「高信頼&安心・安全システム構築の勘所」を開催します.名古屋大学 大学院情報科学研究科 教授の高田 広章 氏や日本機能安全の北村 邦明 氏,JAXA(宇宙航空研究開発機構)の石濱 直樹氏,東陽テクニカの二上 貴夫 氏など,組み込みシステムの信頼性,安全性の専門家の方々にレクチャしていただきます.また,慶応義塾大学の神成 淳司 氏には農業分野のシステム構築について,トライポッドワークスの渋谷 義博 氏にはセキュリティ・アプライアンス機器の開発事例について紹介していただきます.
名古屋大学 大学院情報科学研究科 付属組込みシステム研究センター センター長・教授の高田 広章 氏
セミナの詳細はこちら
7/30(木)開催セミナ「高信頼&安心・安全システム構築の勘所」
この機会に組み込みシステムの「信頼性,安心・安全」について考えてみませんか?