新人技術者のためのロジカル・シンキング入門(7) ―― 「ひたすら流すだけのテスト」にさよなら
「テスト・ケースはテストを実施する前に作成しておくもの」という当たり前のことを,実際の開発現場では実行できていないと感じている設計者は少なくないだろう.今回は,テスト・ケースを漏れなく,かつ効率良く作成するための考え方を説明する.開発するシステム(モジュール)に応じて,入力パラメータや入力データを考えて場合分けすることで,テスト・ケースを充実させていく. (編集部)
技術解説・連載「新人技術者のためのロジカル・シンキング入門」 記事一覧
第1回 いかにしてバグの原因を突き止めるか
第2回 プログラミングにおける良いデータ構造
第3回 「必要とされる設計書」の作り方
第4回 直したバグがゾンビのごとく復活する
第5回 ソース・コード規約の作り方
第6回 ハードウェア基礎の基礎
第7回 「ひたすら流すだけのテスト」にさよなら
第8回 CPUの演算量をひたすら削る
第9回 メモリ転送速度の最適化設計
第10回 「工学の知」を実務に生かす
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Gさんは,今月から新しい開発チームに所属することになった,入社2年目の若手のシステム・エンジニアです.
既存のプログラムのテスト工程から参加するようになったGさんに,リーダのPさんは「仕様書を見ながら担当するモジュールのテスト項目を考えてほしい」と伝えました.ところが,この当たり前の要求にGさんは思わず面食らってしまいました.「ん,なんだなんだ? テスト項目って本当に考えるものなのか....そんなのは新人研修用の建前だとばかり思っていたぞ...」.