技術で地方を活性化するには? ビール片手に産学で議論 ―― 第10回 組込みシステム技術に関するサマーワークショップ(SWEST10)

組み込みネット編集部

tag: 組み込み

レポート 2008年9月 9日

●じっくり話を聞くも良し,手を動かすも良し

 2日目は,「モデル」,「ワーク」,「基盤技術」,「議論」といったセッションが並行して実施された.参加者は自由にセッションを選んで参加できる.例えばモデルのセッションでは,形式手法や車載ソフトウェア・プラットホームなどに関するチュートリアルが行われた(写真5)

p5.jpg
[写真5] セッション「組み込みソフト技術者のための形式手法入門」の様子
コーディネータはデンソーの山郷 成仁氏.

 ワークや議論のセッションとしては,QFD(品質機能展開)とFMEA(故障モード影響解析)を実践するセッション「実践! QFD+FMEA」(写真6)や,雑誌の付属基板に部品を実装してシステムとして動かしてみるセッション「付録ボードを実際に動かしてみる」(写真7),開発の現場で日ごろ感じていることをまとめてみるセッション「組込み業界の新3Kを考える」(写真8)などが行われた.

p6.jpg
[写真6] セッション「実践! QFD+FMEA」の様子
コーディネータは東芝セミコンダクター社の高野 裕之氏.

p7.jpg
[写真7] セッション「付録ボードを実際に動かしてみる」の様子
コーディネータはイーエスピー企画の江崎 雅康氏,三重大学の渡部 謹二氏.

p8.jpg
[写真8] セッション「組込み業界の新3Kを考える」の様子
コーディネータはヴィッツの森川 聡久氏.森川氏は,SWEST10の運営委員長でもある.

 このうち「組込み業界の新3Kを考える」では,KJ法というデータの整理法を用いて,3~4人ずつのグループごとに現状を分析した(写真9).「スキルが上がれば負荷は減る,はずなのだが,現実にはできる人ほど仕事が集中するので,スキルが上がると負荷も増える」,「スキルが上がっても評価につながっていない」などの厳しい意見が出る一方で,「自分で開発したものをニコニコ動画に載せたい」,「職場はコーヒー飲み放題」などの"小さな幸せ"に喜びを見出している,という意見も飛び出した.

p9.jpg
[写真9] セッション「組込み業界の新3Kを考える」における分析例

 また,SWEST6のときから実施されている教育プロジェクト「Surveyor/Hamana(以下,Hamana)」の有効性を検証するセッションも行われた(写真10).本プロジェクトは,組み込みシステムとソフトウェアの開発技術力向上を目指して,モデル・ロケットを用いた計測システムを丸ごと開発する機会を提供している.例えばヴィッツは第2回目のHamanaプロジェクト(Hamana-2)のときから,同プロジェクトを新人研修の一環として活用している.一方で,参加の意向は示したものの,本業が忙しくてシステムの完成が危ぶまれるチームもあるという.Hamana-5には5チームが参加を表明しているが,SWEST前日に行われた公式試射会に参加したチームは2チームだけだった.

 モデル・ロケットという題材は,打ち上げ時の天候や場所が制約となるが,実際の物体を打ち上げることで物理現象の影響を直に体験できるなどの意義がある.セッション参加者からは「ロケットの打ち上げが楽しみでSWESTに来ている」という声もあり,工夫と改善を加えながらプロジェクトを継続したい,という方向で議論がまとまった.

p10.jpg
[写真10] セッション「Hamana-5 ~育成につかえるか?~」の様子
コーディネータはヴィッツの大西 秀一氏.

組み込みキャッチアップ

お知らせ 一覧を見る

電子書籍の最新刊! FPGAマガジン No.12『ARMコアFPGA×Linux初体験』好評発売中

FPGAマガジン No.11『性能UP! アルゴリズム×手仕上げHDL』好評発売中! PDF版もあります

PICK UP用語

EV(電気自動車)

関連記事

EnOcean

関連記事

Android

関連記事

ニュース 一覧を見る
Tech Villageブログ

渡辺のぼるのロボコン・プロモータ日記

2年ぶりのブログ更新w

2016年10月 9日

Hamana Project

Hamana-8最終打ち上げ報告(その2)

2012年6月26日