初めてのETロボコン (2) ―― 「よたよた走り」で試走会Iに挑む
●いろいろ試して出来上がった灰色検知アルゴリズム
その後は,最終的な戦略を立ててモデルを変更するとともに,灰色検知アルゴリズムをいろいろと試しました.いくつか試してみて,ようやく安定して灰色を検知できるようになってきました(動画2).アルゴリズムの詳細は現時点では公開できませんが,クラス図の一部分だけ公開します(図2).図1の「よたよた走り」に比べて,メカニカル・ライブラリの上に抽象化のためのクラスを1層挟んでいます.色クラスが光センサからの値を白・黒・灰という上位に使いやすい形に変換していますが,これだけだと実コースでの灰色検知がうまくいかないので,もう少し層を追加しました.
灰色検知アルゴリズムを検討する際に参考になった文献は,東海大学 清水研究室 齋藤彰宏氏の2006年度卒業論文「レゴマインドストームを用いたライントレースマシンの実機調査」です.この論文には,光センサの実験をはじめ基礎データが豊富にあります.清水研究室のWebサイトにて公開されています.オススメです.
[動画2] 2回目の灰色エリアで止まる
[図2] 灰色検知走りのクラス図(一部非公開)
「よたよた走り」から「灰色検知走り」へ,TAMA Lab.のソフトウェアが少しだけ成長しました.次の試走会(試走会II)では,設計モデルに基づいて作成したソース・コードを試す予定です.灰色を検知し,難所にも挑戦します.
そろそろ時間との戦いも始まりました.お盆の直前,課題は山積みですが,最後の目標「賢い走り」に向けてがんばります.
◆筆者プロフィール◆
大山 将城(おおやま・まさしろ).半導体系メーカに勤務するソフトウェア・エンジニア.入社から現在まで,マイコン用開発環境の開発に従事する.TAMA Lab.では"姐御"の足回りが役どころ.製品でも組織でも何でも,創ると育てるがモットー.最近のキーワードは,「worst effortの定義」.