開発に,テストに有効なチーム・ビルディングを学ぶ ―― JaSST'08 Kansai

組み込みネット編集部

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レポート 2008年6月10日

 2008年6月5日~6日,インテックス大阪(大阪市住之江区)にて,ソフトウェア・テストに関するシンポジウム「JaSST'08 Kansai」が開催された(写真1).ソフトウェア・テストに関する事例発表や基礎的なチュートリアルのほか,共通の目的を持って目標を達成しようとする「チーム」作りの演習や対談,パネル・セッションなどが行われた.

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[写真1] JaSST'08 Kansaiの様子
会場は満席だった.

●じゃんけんで始めるチーム作り

 PS(Partner Satisfaction)研究会は,「テストフェーズにおけるチームビルディングと維持」と題した演習付きの講義を行った.チーム・ビルディングの有用性について説明した後,近くに座っている2~3人ずつのグループでお互いに話を聞き合う演習を行った(写真2).最初に大きな声を出しながらじゃんけんを行って,勝った人から順番に1分ずつ自己紹介する.次に,また1人ずつ「楽しい話」をして,残りの人はそれを傾聴する,という演習である.

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[写真2] チーム作りの演習の様子
声を出してじゃんけんを始めたところから,部屋の空気がどんどん和んでいったように見えた.

 傾聴のポイントは,「相手に正対する(体ごと相手と向き合う)」,「相手が話しやすい表情(笑顔)を作る」,「話を最後まできちんと聞く」,「相手の目を見る」,「あいづちを打つ,うなずく」,「頭ごなしに否定しない("でも"と言わず,"なるほど"と言う)」ことだという.

 チームとは,単なる人の集まりではなく,共通の目的を持ち,一丸となって目的を達成しようとするものである.そして,チーム・メンバのコミュニケーションを良くしたり,チーム・メンバ間に仲間意識を育てたりすることが,メンバ個々の能力以上のものをチームとして引き出せることにつながるという.

 仕事上で利害関係や対立関係が出来上がってしまってからのチーム・ビルディングは難しい.できればチームを結成したばかりのころに行うとよい.または,普段の環境を離れ,合宿などの形で実施するとよいようだ.

●テスト技術者に必要なスキルとは?

 「求められるテスト技術者の育て方」と題したパネル・ディスカッションでは,テスト技術者に必要なスキルは何か,というテーマについて議論が行われた.本シンポジウムの参加者に対して事前に調査したアンケート結果からは,「テスト技法」や「コミュニケーション能力」が必要であると考えられていることがうかがえる(写真3).パネリストからは,「知識のある人ではなく,どのようなテストが必要なのかを構築できる人が必要」,「設計書で足りない部分をヒアリングなどで補完できる能力が必要」,などの発言が出ていた.

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[写真3] 参加者のアンケート結果

●情報交換会も盛り上がる

 1日目の夕刻には,情報交換会(組み込み業界交流会)が開催された(写真4).本シンポジウムの参加者やET Westにおける講演者,来場者などが,ビールを片手に交流を深めた.

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[写真4] 情報交換会の様子
会場のあちこちで名刺交換が行われ,話に花が咲いていた.

 会場の一角では,ストリート・ライブなどで活躍しているバンド「RaiRaiRa」がライブ演奏を行い,雰囲気を盛り上げた(写真5)

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[写真5] 「RaiRaiRa」によるバンド演奏の様子
実は,シンポジウムの受付係を担当してくれていたのが,本バンドのメンバである.受け付け時の写真はこちら

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