パソコンに入力したメッセージを小型ファンに表示する装置の製作 ―― XPortとリレーを使って簡単に製作できる
2,メッセージ表示機能付きファン内に電線を取り付ける
操作は,ファンへの給電ON/OFFと,上/中/下の各ボタン操作の計4項目です.ファンのボタン部分には写真4の基板が入ってます.そこで,写真5のようにリレー(スイッチ)を利用してボタンを押す操作を行うことにしました.
XPortを搭載する基板と接続するため,ボタンに信号線を付けて,底面から出しておきます.XPort基板とファンの接続方法は,次の通りです.
(a)電池ボックスのマイナス...XPort基板のグラウンドに接続
(b)電池ボックスの+4.5V...XPort基板上のリレーRL1とRL2の+5V出力に接続
(c)ボタンのコモン...RL1,RL2,RL3の各リレーに接続
(d)上ボタン...リレーRL1に接続
(e)中ボタン...リレーRL2に接続
(f)下ボタン...リレーRL3に接続
写真5中の(c)と(d),(e),(f)の信号線の先を短絡して文字操作が行えることを確認しました.その後,写真6のように6本の連結ピンを取り付け,太いピン側をはんだ付けしました.ファンの回路を解析すればリレーを使わずに済むのでしょうが,ここはよく言えば「ほかの用途に応用が効く方法」,悪く言えば「安直な方法」をとりました.
[写真4] メッセージ表示機能付きファン内部のプリント基板
[写真5] ファンを操作するための信号線を接続
[写真6] ファン底面に出したケーブル
3,ハードウェアの製作
図1が製作したメッセージ表示機能付きファンをXPortで操作するための回路です.図1をもとに写真7の基板を製作しました.XPortの汎用I/Oポートから3個のリレーを制御します.
[写真7] 製作した基板
1)図1左上
XPortの周辺回路です.電源供給は1ピンと2ピンで行います.XPort底面から出ている金属板(FG:フレーム・グラウンド)に対してC1とC2のコンデンサ(バイパス・コンデンサと同じ0.1μF)を付けました.これはLantronix社が推奨している静電気対策です.
2)図1左下
XPort用の3.3V電源です.3端子レギュレータの出力電流は1Aでも500mAでも構いません.レギュレータの放熱用シートを,写真8のように取り付けました.
ここまで作ったら,いったんXPortの電源を入れて,XPort前面のLEDが点灯することを確認します.
[写真8] 3端子レギュレータの冷却には放熱シートを重ねて使用した
3)図1中央
XPortから74LS05(オープン・コレクタ)を通し,1kΩのプルアップ抵抗を付けています.これはリレー・ドライバへの入力をアクティブ時に+5Vにするためです.
4)図1右
前述の通りリレーは,RL1が上ボタン,RL2が中ボタン,RL3が下ボタンに対応します.RL1とRL2を同時にONにすると,ファンの電源をOFFします.これはリレーを4個も使いたくなかったための処置です.このため,RL1とRL2は2回路入りのリレーを使っています.
●メンテナンス・ケーブルの準備
以前掲載した「窓が開いたらメールを出す装置の製作」で紹介したメンテナンス用ケーブルを準備します.基板とメンテナンス用ケーブルが完成したら,XPortの標準プログラムの使い方を知っている場合,シリアル-Ethernet変換の動作を確認します.