マルチコアCPUに対応するボードやリアルタイムOSが続々 ―― 2007 ESC Silicon Valley
●Al Gore氏が組み込みシステムとエコシステムを比較
米国前副大統領のAl Gore氏によるキーノート・スピーチ「The Democratization of Technology」には,1,000人以上の聴講者が集まった(写真6~写真8)).
同氏は,消費電力の低減と性能向上を両立させようと再設計を続ける組み込みシステムと,人類によるCO2排出量の増加で気温の上昇を招いていると言われる地球のエコシステム(生態系)を比較してみせた.
CO2の排出量を抑えて地球の温暖化を抑えるように社会を再設計し,それをビジネスとして成功させることは人類にとって重要である,と唱えた.
[写真6] Al Gore氏によるキーノート・スピーチの様子
[写真7] 講演するAl Gore氏
同氏は冒頭で,「次期大統領になる予定です」など,アメリカン・ジョークを飛ばし,笑いを誘っていた.
[写真8] キーノート・スピーチの会場
●「プリウス」の解体ショーにエア・バッグの動作実験
特別イベントとして,トヨタ自動車のハイブリッド自動車「プリウス」や,米国Segway社の体重移動のみで進行や方向変換が可能な動力付き移動装置「Segway」,デンマークLEGO社のロボット教材「Mindstorms」などの"解体ショー"が行われた.
特に,プリウスの解体ショーは6回に分けて行われ,最も注目されていた.自動車全体の解体から,カー・ナビゲーション・システムの解体,それぞれのECUの解体まで行われた(写真9).また,エア・バッグの動作実験なども行われた(写真10~写真12).
なお会場には,エア・バッグの動作実験を行う際に,無線LANの通信状態が悪化する可能性がある旨の注意が掲示されていた.
Segwayについては,全体の分解図の紹介,ジャイロ・センサ・モジュールやモータ制御モジュールの展示,モータ制御ブロック図の解説などが行われた(写真13~写真15).
[写真9] プリウス解体ショーの様子
[写真10] いよいよエア・バッグを動作させるところ.耳をふさいでいる人が多い
[写真11] エア・バッグ発射の衝撃はカメラの手ぶれ補正機能も効かないほど
[写真12] 出たてほやほやのエア・バッグ
[写真13] Segwayの分解図
[写真14] Segwayのキモであるジャイロ・モジュール
[写真15] Segwayのモータ制御部のブロック図
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