たこ(凧)とカメラで空撮に挑戦 ――WiPortとカメラ・モジュールで空からの画像をリアルタイムに取得

小野泰正

tag: 組み込み

エレキ系DIY 2006年12月19日

 ここでは,たこ(凧)を飛ばし,たこから見た地上の映像を取得する.市販されているモジュール部品を組み合わせるだけで,手軽に空から地上を見下ろした画像を楽しめる.  (編集部)

 筆者は以前からたこ(凧)にカメラを付けて空中撮影行いたいと思っていました.ラジコン飛行機やラジコン・ヘリコプタなどを使うリッチな撮影ではなく,自然の風まかせのたこです.常時金欠の筆者も,たこならばなんとかできそうです.時代はやっぱりエコロジーですね.

●必要な機材

 写真1(a)の機材を用意しました.空中で撮影した写真は,無線LANによってパソコンへ送信することにします. 具体的には,たこに取り付けたカメラ・ユニット(サーバ)に対して,ノート・パソコン(クライアント)から送信を要求します.すると,TCP/IP通信でVGAサイズのJPEGデータが,約5秒に1回の割り合いで送られてきます.

p1a.jpg
(a) 機材一式

p1b.jpg
(b) カメラ・ユニットは,WiPortとカメラ・モジュール,アンテナなどで構成される

[写真1] 製作に必要な機材一式
映像を記録するノート・パソコンと,空からの映像を送出するカメラ・ユニットを準備する.写真(a)の下側にあるのは,WiPortがインフラ・ストラクチャ通信を行うためのアクセス・ポイント.アドホック通信を行う場合は不要.

●空からの映像を送出するカメラ・ユニット

 写真1(b)にカメラ・ユニットの外観を示します.

 無線LAN通信器には,米国Lantronix社の無線LAN-シリアル通信変換器「WiPort」を使いました.

 カメラ・モジュールは,米国のelectronics123というショップで見つけました.ここで売っているC328-7640というカメラで,JPEG圧縮したデータをシリアル信号として115,200bpsで送出可能です.一般的な非同期通信で,スレッショルド電圧もWiPortと適合します.そのため,WiPortのシリアル信号線と直結でき,ごく簡単にカメラ・ユニットを作れました.今回は,回路図を作らず,図1の結線を行っただけです.

zu1.jpg
[図1] WiPortとカメラ・モジュールの結線

 カメラ・ユニットには,下記の部品を使用します.
・WiPortとWiPort拡張用基板(若松通商)
・WiPort用アンテナ(若松通商)
・C328-7640カメラ
・電池ボックス
・出力3.3Vの3端子レギュレータ
・LED,抵抗など

●地上で映像を受信するノート・パソコン

 パソコンは,なつかしい方には涙もののチャンドラ2で,筆者の資金難から,いまだに現役で頑張っています.ここでは静止画の記録だけなので,なんとか使えています.このパソコンに無線LANカードを挿して,WiPortと通信します.

 ソフトウェアはJavaで作成し,ここからダウンロード可能です(780KバイトのZIPファイル).WiPortとノート・パソコンの間はアクセス・ポイントを使わないアドホック通信も可能です.ただし,WiPortはインフラ・ストラクチャ通信を行った方が消費電流が少ないので,バッテリ稼動のアクセス・ポイントも用意しました.

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