コネクタ&FPC トラブル・シューティング 11連発(10) ――FPCとコネクタ端子が短絡している
ここでは,コネクタやフレキシブル・プリント基板(FPC)などにかかわる11項目のトラブル対策事例を紹介する.今回その第10回目である. (編集部)
症状
プリント基板上にあるコネクタのFPC挿入部には,通常,部品を配置しません.しかし,そのプリント基板上のデット・スペースに対して,高さ「H=0(部品配置不可)」という条件を守ることを前提に,テストポイント(基板部組み点検用)を配置することがあります.スペースの有効活用に思えるこの行為が,後に機器本体の動作不良を引き起こしました.
● 原因究明の過程
原因は「FPCのコネクタ端子開口部とプリント基板上のテストポイント(予備はんだあり)の間の短絡」と判明しました.製品の動作に影響していたことがわかったときには,事前の検討が足りなかったことを痛感しました.
図10-1のように,プリント基板上のFPCを挿入するスペースは通常,部品を配置しないというルールで対応していましたが,プリント基板の実装スペースのつごうで,点検に使うテストポイントとして活用していました.そして,そのテストポイントには酸化防止や測定用のプローブの接触を良くするなどの目的から,予備はんだを施していました.低背コネクタが主流になってきている現在では,このスペース活用が事故の原因となるケースがあります.