コネクタ&FPC トラブル・シューティング 11連発(3) ――ディジタル・ビデオ・データの伝送でエラー発生

三田博久

tag: 組み込み

技術解説 2006年10月25日

 ここでは,コネクタやフレキシブル・プリント基板(FPC)などにかかわる11項目のトラブル対策事例を紹介する.今回その第3回目である.  (編集部)

症状

 放送局などに設置する業務用のディジタル・ビデオ機器では,各機器間でやり取りする映像データをSDI(Serial Digital Interface)という高速インターフェースで伝送しています.伝送レートは,SD(standard definition)テレビ(4:2:2コンポーネント)の場合が270Mbps,HD(high definition)テレビでは1.485Gbpsになります.映像データ以外にも,アンシラリと呼ばれる映像データの隙間領域に,オーディオ・データや局間情報,字幕データなどを重畳して伝送しています.同軸ケーブル1本でシリアル・ディジタル伝送できるので,アナログ伝送で使っていた放送局内の既設ケーブルをそのまま利用しています.

 既存設備を利用したシリアル・ディジタル伝送設備や撮影現場などの同軸ケーブル敷設工事において,伝送確認のためにデータの送受信を行ってみると,受信データにエラーが発生したり,まったく受信できなかったりというトラブルが起こることがあります.

● 原因究明の過程

 このようなトラブルが発生する原因として,いくつかのケースを考えることができます.

 最初に同軸ケーブルの長さを考慮する必要があります.放送局の設備や撮影現場の状況によって,伝送同軸ケーブルの長さが数百メートルにもなる場合があります.SDI信号の振幅は規格により,「同軸ケーブル長が1mのとき75Ω終端抵抗両端にて800mVp-p±10%」と規定されていますが,同軸ケーブルが長くなればなるほど損失が大きくなり,信号振幅が減衰していきます.通常,受信側の機器には,同軸ケーブルの損失分を補うケーブル・イコライザと呼ばれる回路が装備されていますが,イコライザで補えないほど減衰してしまった場合は,正確なビデオ信号を復元できなくなります.

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