組み込み向け表記法「eUML」の適用事例が初お目見え ――第5回組込みシステム開発技術展(ESEC)

組み込みネット編集部

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レポート 2002年7月 1日

 2002年6月26日~28日,東京ビックサイト(東京都江東区)にて,組み込みシステムに関する展示会「第5回 組込みシステム開発技術展(ESEC)」が開催された.ESECの会場では,eUML(組み込みシステム向けに拡張したUML)を利用して開発されたオムロンのFAアプリケーションのデモンストレーションが注目を集めていた.

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●オムロンによるeUMLの適用事例を公開

 キャッツは,UMLに対応した組み込みシステム向けソフトウェア開発ツール「Konesa RealTime」の適用事例として,オムロンの良品/不良品仕分け装置をESECの会場で展示した.Konesa RealTimeは,組み込み分野でUMLを利用するためのガイドラインであるeUMLの仕様が反映されている.eUMLは2002年6月に仕様が固まったばかり.オムロンは,eUMLの仕様策定と並行して今回の装置の開発を進めていた(インタビュー記事「eUMLはソフト/ハードを含む『システム』の記述を視野に」を参照).

 ESECの展示では,実際に動くミニチュアの模型が注目を集めていた(写真1).今回のデモンストレーションでは,銀の玉と白の球をそれぞれ良品,不良品に見たてて仕分けした.Koresa RealTimeによって生成されたコードをそのまま入力し,動かしているという.

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[写真1]FA装置の模型
Koresa RealTimeによって生成されたコードをそのまま入力して,動かしている.

●UMLセミナに来場者が殺到

 日本ラショナルソフトウェアは,UMLを用いたリアルタイム・システムのソフトウェア開発環境「Rational Rose RealTime」のセミナをESECの会場内のブースで定期的に開いた.UMLに対する関心は高く,来場者は熱心に聞き入っていた(写真2)

 また,同社はESECと同時開催の「第11回ソフトウェア開発環境展(SODEC)」会場内のブースでも,18の特設セミナを開催した.そのうちの一つである「UMLを使いこなせ!実践UML入門」は満席の状態で立ち見の聴講者も多く,セミナ会場外のディスプレイの前にも人だかりができていた.

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[写真2]「Rational Rose RealTime」セミナのようす
Rational Rose RealTimeの説明に熱心に聞き入る人々.

●産業用制御装置の開発期間を短縮するDVCfai

 キャッツのブースでは,日本工営グループが開発したネットワーク対応の制御用コンピュータ『DVCfai (Φ)』の試作機が紹介されていた.ブロックの人形が左右の手に持った旗を上げ下げするデモンストレーションを行った(写真3)

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[写真3]「DVCfai (Φ)」のプロトタイプのデモンストレーション
ディスプレイの右側に2本の操作バーがあり,それを前後に動かすことでロボットの左右の腕が上下する.同時に,パソコン上では状態遷移表を利用するソフトウェア開発ツール「ZIPC」が,状態遷移のどの部分を実行しているのかを表示していた.

 DVCfaiは,ハードウェア,ドライバ,OSをミドルウェア「DVC-Ware」で制御する.そのため,ハードウェアの機種に依存せず,システムを構築できる.また,キャッツの「ZIPC for DVC」を採用しており,複雑なプログラミング作業を行わず,仕様を記述するだけでシステムが構築できるという.搭載プログラムの検証ツールとしては,イーソルのリアルタイムOSシステム開発環境「eBinder」を採用している.2002年12月より出荷を開始する.


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