シリコンバレー駐在日記(2) ――住居探し

田中 良平

tag: 組み込み 半導体

コラム 2002年5月 8日

 シリコンバレーには数多くのアパートが存在します.米国のアパートは,3階建て程度のものが多いようです.ほとんどが木造建築であることからも,3階建てくらいが適当なサイズなのかなと思いました.

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 アパート探しを始めた当初は,どこから手をつけてよいのかわからず,とまどいました.そのとき,とても便利だったのが,Apartment Guideというガイドブックです.シリコンバレーのさまざまな地域に存在するアパートの概要をそれぞれ1 ページにまとめた本で,カラー写真と部屋の内容,おおよその価格などが載っています.Web サイト(http://www.apartmentguide.com/)で,希望の地域,間取り,希望する設備などから検索できます.筆者はこの情報を元にレンタカーで約20 件ばかり見学に行きました.

 シリコンバレーは,日本に比べると雨の量が少ないせいか,木が少ないようです.車で運転していても,日本人から見ると閑散とした雰囲気を感じます.しかしいったんアパートの敷地に入ると,花や木が多く植えられていて,急に落ち着いた雰囲気になるのには驚かされます.やはり,米国でも居住空間となるとかなり気を使っているようです.

 アパートの見学は,Leasing Officeという管理人のいる事務所に行くことから始まります.部屋の空き状況や価格,契約の条件など,一連の情報を聞き,部屋へ案内してもらいます.このときの担当者の対応が,アパートの選択にはたいせつだと感じました.筆者は,英語を現地の人ほど話せませんし,聞き取れません.それを理解してくれないと,マシンガンのように話しかけられます.こういったところに家族で住むとなると,何かあったときにコミュニケーションがとりにくくなります.逆にとても親切な対応で,ことばを選んでわかりやすく説明してくれるところなら安心です.こういったアパートは外国人への対応に慣れているのでしょう.

 アパートの間取りとしては,日本のようなLDK表現ではなく,ベッド・ルームの数で表します.キッチンとリビング・ルームは必ずあり,ほかにベッド・ルームをいくつ付けるかで間取りが決まります.それぞれのベッド・ルームにバス・ルームとトイレがついている点は,米国だなと感じました.

 筆者は3人家族で住む予定でしたので,2ベッド・ルームの部屋を探すことにしました.日本で言うところの2LDKになると思いますが,一つ一つの部屋がとても広々としているので,全体では90平方m~110m平方mくらいの広さになります.

 今は米国の景気が後退しているせいもあり,バブル時期に比べてアパートの価格はかなり下がっているようです.バブル期に月々3,000ドルだったところなら,現在は2,000ドル前後でしょう.アパートの価格帯は,部屋のサイズより建築されている地域に依存しているらしく,評判のよい学校に近いアパートなどは,依然として人気があります.価格帯も3,000ドル前後と,強気です.学校から離れたところは,同じ大きさでも2,000ドルを下回ることがあります.選ぶ側にとっても,選択の幅が広がっているので,バブル期にくらべると,多少はましになってきているようです.それでも,月々2,000ドルの家賃は,日本人が見ても割高ですね.

 またバブル期は数多くあるアパートの部屋のほとんどが埋まっていたのですが,バブル期からの増築がいまだに進んでいることと,景気後退により,現在はどのアパートでも部屋の空きがありました.

 筆者は,さまざまな点を考慮した結果,San Jose郊外にあるアパートに決めました.会社からは車で20分の距離でした.探していたときは,平日の昼間でしたので道も空いており,これなら通勤できると考えたのですが,今,実際このアパートに住んでみて,朝と晩の通勤ラッシュのすさまじさに驚いています.ひどいときは,片道50分かかることもあり,読みが甘かったと思っています.

(本コラムはDESIGN WAVE MAGAZINE 2002年3月号に掲載されました)


◆筆者プロフィール◆
たなか・りょうへい.同志社大学工学部卒,今年で31歳になる好奇心旺盛のエンジニア.シリコンバレーの目新しいところに,足を運んでは新鮮な驚きを体感する日々を送っている.現在は,シリコンバレーにあるDAIHEN Advanced Component社に勤務.FPGAとIP(Intellectual Property)を応用したシステムの開発を行っている.休日は,家族で巨大なショッピング・モールめぐりをし,お昼は数多くあるファースト・フード店で一休み..

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