三洋とKodakの合弁会社,26万色2.2インチ型有機ELの量産開始を発表 ――Kodak e-Revolution2002

組み込みネット編集部

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レポート 2002年4月 9日

 2002年4月4日~5日,東京ドームホテル(東京都文京区)でコダックのプライベート・ショー「Kodak e-Revolution2002」が開催された.消費者向け製品やプロ向け製品,同社のパートナ企業の製品などが展示された.三洋電機と米国Easman Kodak社の合弁会社が2.2インチ型有機ELディスプレイを展示したほか,日本アイ・ビー・エムは920万画素の22.2インチ型TFT液晶モニタを公開した.

●2.2インチ型有機ELディスプレイの量産を開始

 エスケイ・ディスプレイは,2002年2月に量産を開始した26万色の2.2インチ型有機ELディスプレイを展示した(写真1).同社は2001年12月に設立された,三洋電機とEastman Kodak社の合弁会社である.有機ELディスプレイは自己発光型であり,バックライト素子を必要としない.構造は,ガラス基板上のアノードの上にホール輸送層,発光層,電子輸送層,カソードが順次重なっている.輝度は100cd/m2,応答速度が数μsと早い.当面,同社が生産する製品は,三洋電機とEastman Kodak社だけに供給される.

 本有機ELディスプレイは,三洋電機の開発した低温ポリシリコンTFT液晶技術を元に開発されたアクティブ・マトリクス駆動方式を採用している.アクティブ・マトリクス駆動では,画素ごとにTFT素子を設ける.TFT素子のON/OFFによって電流を制御する.三洋電機の低温ポリシリコンTFT液晶と駆動ドライバを用いている場合,電圧駆動から電流駆動への変更は必要であるが,駆動ドライバの入力のインターフェース仕様は変わらない.

 三洋電機は,KDDIが2002年4月1日からサービスを開始した「CDMA2000 1x」向けの携帯電話に量産された有機ELディスプレイを組み込む.同携帯電話は2002年の夏にKDDIがモニタを開始する予定であるという.今後は,ディジタル・カメラやPDAなどの製品への搭載を目指す.また,Eastman Kodak社も2002年5月ころに本有機ELディスプレイを搭載した製品を発表するもよう.

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[写真1] 2.2インチ型有機ELディスプレイの外観

●920万画素の22.2インチ型TFT液晶モニタ

 日本アイ・ビー・エムは,1,667万色表示の920万画素22.2インチ型TFT液晶モニタ「T221」を展示した(写真2).医療や新聞・出版分野などで使われる.

 本TFT液晶モニタは,スペーサに同社の特許である高分子の有機材料を用いた柱型の「Post Spacer」を採用している(写真3).スペーサとは,液晶を構成する2枚のガラス基板の間隔を一定に保つための保持材料である.従来は球状のスペーサが使用されていたが,基板に球状のスペーサを均等に散布することが難しかった.このため,黒い画面を表示したときに光の漏れが発生することがあった.

 輝度は235cd/m2,画素ピッチは204dpi(0.1245mm),コントラストは400対1である.視野角は水平・垂直方向ともに±85度.消費電力は150Wである.

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[写真2] 22.2インチ型TFT液晶の外観

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[写真3] Post Spacerの外観

●CompactFlash型のSDカード・アダプタ

 松下電器産業は,外形がCompactFlash型のSDカード・アダプタを展示した(写真4).本製品はCompactFlash規格のType1(36.4mm×42.8mm×33.0mm)に準拠している.本製品は2002年夏に発売する予定.価格は6,000円~7,000円程度になるという.

 今後は,本製品に通信機能を搭載したものを開発することを検討している.

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[写真4] CompactFlashのSDカード・アダプタの外観

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