米国の組み込み展示会ではPDAが大活躍,日本のケータイはこれからが本番 ――Embedded Systems Conference San Francisco
●米国のPDA vs. 日本の携帯電話
筆者が興味をもったのが携帯型端末の分野です.この展示会で,どこへ行っても見かけたのがPalmやVisorなどのPDAです.ブースの展示やパネルの説明でもPDAを題材にしたものが数多く見受けられました.昼食を取りながら打ち合わせを行う人々の片手には,しっかりとPDAが握られています(米国人は手が大きいのでさらに小さく見える).アドレス帳の管理,スケジューリング,メールの送受信,サーバ・パソコンとのデータベース連携....PDAはビジネスマンのライフ・スタイルをさらに便利にしてくれることでしょう.
一方,携帯電話については,やはり日本製のヒューマン・インターフェースはすばらしいの一言につきます(図2).米国では多くの携帯電話がアナログであるのに対して,日本ではディジタル化で先行しています.iモードなどの普及により,液晶画面から得られる情報量は格段に増加しました(図3).操作性についても問題なく,日本製の携帯電話は本当によく考えられていると思います(アイコンの使い方,入力の促し方には,家電製品の開発で培った日本人ならではの発想が生かされている).スケジュール管理やメール,そしてインターネットへの接続.機能を考えると,もはや「携帯電話」というネーミングは適切とは思えません.そしてビジネスの分野で「コンテンツの競争」が進んでいるのも,日本の携帯電話の強みとなっているのではないでしょうか?
〔図2〕 日本製携帯電話の展示
アプリックスのJBlendのデモンストレーション.
〔図3〕 iアプリをPDAでエミュレーション
Javaプログラムであるiアプリをカシオ計算機のPDA「CASSIOPEA」で動作させている.(有)イーバレイの展示.