NECエレクトロニクス，3次元C/Y，ビデオ・デコーダ，PCIバス・マスタなどの機能を1チップに集積したMPEG-2エンコーダLSIを発売

　NECエレクトロニクスは，MPEG-2エンコーダLSI「μPD61154」，「μPD61153」を発売した．μPD61154は，Dolby Digital音声符号化とMPEG音声符号化に対応している．一方，μPD61153は，MPEG音声符号化のみに対応している．DVDレコーダのほか，地上ディジタル放送受信に対応したパソコン向けビデオ・キャプチャ・ボードなどに組み込む用途を想定している．

　本LSIは，従来は複数のLSIで実現していた四つの機能，1)輝度信号と色信号を分離して色のにじみなどを低減させる3次元Y/C分離機能，2）アナログ・ビデオ信号をディジタル信号に変換するビデオ・デコード機能，3）MPEG-2エンコード機能，4）PCIバス・マスタ機能を1チップに集積した．これにより，チップ・コストやボード実装面積が従来の約半分になるという．

　同社は，上記の四つの機能のそれぞれを製品化した実績があり，本LSIにそれらの回路技術を採用している．同社によると，今回は，特にPCIバス・マスタ機能を強化したという．従来のPCIバス・マスタ回路が1チャネルだったのに対して，本LSIは4チャネル備えている．これによって，MPEG-2でエンコードしたデータのほかに，ビデオ・データ，オーディオ・データ，VBI（vertical blanking interval）データをパソコンに同時に転送できるようになった．

　電源電圧は，コア電圧が1.5V，I/O電圧が3.3V，外付けのSDRAMとのインターフェース電圧は2.5V．パッケージは，外形寸法が21mm×21mmの272ピンBGA．

　サンプル出荷はすでに開始している．量産出荷は，2004年8月から始める予定．

[写真1] 「μPD61154」の外観