ワイヤレス給電のセンサや低消費電力通信,920MHz帯通信などに注目 ―― センサエキスポジャパン2013
展示ブースでは,7個の無線通信モジュールを使用したワイヤレス・ネットワークを構築し,実際に動かしてみせていた(写真6).動的経路探索(ダイナミック・ルーティング)機能を搭載しており,通信モジュール間の接続は動的かつ自律的に変動する.また実演したネットワークでは,ブリッジ・ノードでWi-Fiと接続してノート・パソコンに測定データの一部を表示する(写真7)とともに,別のブリッジ・ノードでBluetoothと接続してAndroidタブレットに通信ノード間の経路を表示してみせていた(写真8).
写真6 通信モジュールの例.人感センサと接続したモジュールや温湿度センサと接続したモジュールなどが動作展示されていた

写真7 Wi-Fiブリッジを経由してノート・パソコンに温度測定の結果をリアルタイム表示(16進数表示)

写真8 Bluetoothブリッジを経由してAndroidタブレットに通信経路を表示

●920MHz帯の特定小電力無線で監視データを送信
アーズは,920MHz帯の特定小電力無線によって測定データを送信する環境モニタリング・システム「MD9000シリーズ」を参考出品していた(写真9).センサを内蔵する送信ノード群と,受信ノードで構成する(写真10).送信ノードには,サーミスタあるいは熱電対,温湿度センサなどを内蔵する.送信ノードはデータの中継機能を備えており,最大で8段までの深さでデータ中継を実行できる.
写真9 920MHz帯の特定小電力無線を介して温度や湿度などの測定データを送信する

写真10 920MHz帯無線で測定データを送信する端末「MD9000」の説明パネル

システムが扱える送信ノードの数は最大で80台.送信ノードは内部メモリを搭載しており,1万6,000個のデータを保存しておける.送信ノードの内蔵バッテリが寿命を迎えても,データの内容は消えない.
ふくだ・あきら
フリーランス・テクノロジ・ライタ
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