スマート・カメラやLED可視光通信,バッテリレス・センサに注目 ―― Sensor Expo Japan 2012
2012年10月10日~12日の3日間,東京ビッグサイト(東京都江東区)にてセンサ・コントロールとその応用技術に関する専門展示会「Sensor Expo Japan 2012」が開催された(写真1,写真2).センサ機器やセンサ・システム,センサ・ネットワークなどの最新技術が一堂に会して紹介された.また,産学連携を推進する目的で研究機関の試作品や成果を紹介する展示コーナや技術相談所,シンポジウムなども企画された.来場者数は13,084人.
主催はフジサンケイ ビジネスアイ.併催は「センサネットワーク技術展」,同時開催は「第25回 国際計量計測展(INTERMEASURE 2012)」,「第6回 総合検査機器展(JIMA 2012)」.
●画像処理と判定出力の機能を産業用カメラに搭載
東芝テリーは,画像処理機能と判定出力機能を備える産業用モノクロ・カメラ「Smart Photo-Sensor(SPS)」を展示した(写真3).基板の位置決めや反り検出,マーク検出,印字文字判断,測量判定,ロボット・ハンド組み込みなどに利用できる.
本モノクロ・カメラは,エリア・センサと画像処理チップを搭載しており,USB 2.0インターフェース経由で画像を出力したり,パラメータ設定を行ったりできる.エリア・センサにはCMOSセンサを採用した.有効画素数は144ピクセル×176ピクセル.また,対象物に合わせてレンズを交換できる.レンズ・マウントはSマウント(M12×0.5)に対応する.レンズ部分を除いた外形寸法は22mm×45mm×12mm.
ユーザ独自の画像処理アルゴリズムを組み込むための専用ツールを用意する.
●高感度で温度依存性の小さい3軸荷重ベクトル・センサを参考展示
タカノは,公益財団法人 電磁材料研究所,日本電産コパル電子と共同開発した3軸荷重ベクトル・センサを参考展示した(写真4).電磁材料研究所が開発したCr-N薄膜をひずみ受感材料として採用しており,高感度で温度依存性が小さい.本センサはまだ開発途上.将来的には靴底などに組み込み,歩行履歴を測定するなどの用途を想定している.
本センサのサンプリング周期は最小100ms.測定データをワイヤレスで転送し,パソコン上でリアルタイムにモニタできる.無線伝送にはZigBeeを利用する.複数のセンサを接続するマルチポイント測定に対応する.センサ・インターフェースはI2C.
本センサはセンサ・モジュールとインターフェース・モジュールから構成される.センサ・モジュールの外形寸法は,センサ部が35mm×17mm,回路部が54mm×42mm×10mm.インターフェース・モジュールの外形寸法は170mm×85mm×35mm.測定結果をパソコンに表示するための専用ソフトウェアを用意する.対応OSはWindows 7.
●1種危険場所の水素ガスを検知
村上技研産業は,1種危険場所(通常の状態において,危険雰囲気を生成するおそれがある場所)の水素ガスを検知する防爆型光学式水素ガス検知装置「BH-10Z」を展示した(写真5).本検知装置は,合金薄膜の光強度を利用して水素ガスのみを検知する.センサ素子に電流を直接流さないため,安全性が高い.燃料電池製造工程や水素貯蔵・供給ステーション,ガス充電所・貯蔵所,半導体製造工程,各種プラント設備,化学会社,ガラス製造所,製鉄所などで利用できる.
耐圧防爆構造はExd II cT6に適合する.水素ガスが8000ppmにて検知出力,応答性は30秒以内.水素ガスが20%にて危険出力.検知出力はオープン・コレクタ出力(DC25V,20mA)で,周囲温度は0~50℃に対応する.供給電源はDC12V±10%(消費電力は2.4VA以下).外形寸法はφ77mm×198mm,重さは約1.6kg.
tag: Sensor Expo Japan, センサ, ディスプレイ, 画像処理, 通信