スマホからコックピットまで，ゲームの世界に没入できる周辺機器が続々 ―― 東京ゲームショウ2012

●競技かるたの並べ方と取りやすさの関係を見える化

　日本工学院/東京工科大学は，百人一首を用いた競技かるたにおけるプレーヤの思考を可視化したコンテンツ「からくれない」を展示した（写真5）．取り札（下の句）が並べられた盤上に読み札（絵札）を置くと，読み札の決まり字（その部分まで読まれると歌を確定できる文字の部分）を認識して，取り札を絞り込むというものである．取り札と読み札の裏面にマーカが付いており，盤の下に設置されたカメラでこれらのマーカを読み取って，文字を認識するしくみ．

写真5　日本工学院/東京工科大学の「からくれない」

　競技かるたでは札を並べるときに，自分が取りやすいように並べることができる．例えば，同じ文字から始まる句や，1字決まり，2字決まりなどの歌同士を固めて並べることが多い．並べ方による競技のしやすさの違いを本コンテンツで評価してみたところ，ランダムに取り札を配置した場合は，最初の文字で全体に散らばっていたマークが次の文字でどんどん狭まり，最終的に1枚の札にマークが集まった．これに対して，決まり字同士を集めて取り札を配置した場合は，該当の札を特定するまでのマークの位置の移動が少なかった．

●ボタン一つでゲームを録画

　アバーメディア・テクノロジーズは，ゲームの動画や静止画を録画できる装置「Game Capture HD（AVT-C281）」を展示した（写真6）．本機器と各種ゲーム機を付属のケーブルで接続するだけで，プレー中のゲームの動画や静止画を簡単に内蔵/外付けHDDに保存できる．H.264コーデックに対応しており，画質を維持しながらディスク容量を効率良く使える．ハードウェア・エンコーダを搭載しているため，ゲームをプレイしながら録画しても，遅延がほとんどない．

写真6　アバーメディア・テクノロジーズの「Game Capture HD（AVT-C281）」

　ファイル管理画面では，ファイル・サイズや種類ごとのソート，ファイル・パスの表示，サムネイルの表示などが可能．入出力端子はコンポーネント端子およびアナログ・オーディオ（RCA）端子に対応する．内蔵ストレージはSerial ATA接続の2.5インチ型HDD（9.5/12.5mm厚），外付けストレージはUSB 2.0接続．録画形式はMP4（コーデックはH.264とAAC），外形寸法は164mm×124mm×57mm，重さは335g．

●クラウド・インフラを一括管理

　ライトスケール・ジャパンは，米国RightScale社のクラウド管理システム「RightScale」を展示した（写真7）．本システムにより，パブリック・クラウドやプライベート・クラウド，ハイブリッド・クラウドなどのシステムを一括管理できる．

写真7　ライトスケール・ジャパンの「クラウドインフラストラクチャ管理統合ソリューション」

　Amazon Web サービス（AWS）やOpenStackなど，主要なクラウド・ベンダ13社と提携しており，クラウド固有の違いを排除した形で一括管理できる．

きたむら・としゆき