アイデア勝負！ 癒される家庭用プラネタリウムやスマホ連携のペット・ロボ，手回し発電機装備のリモコン・カーに注目 ―― 東京おもちゃショー2012

●腕に装着するだけでどこでもピアノが弾ける

　キューブは，指と腕に装着するだけでピアノ演奏が楽しめる「ゆび de Piano」を展示した（写真5）．本玩具は，2008年の「小学一年生」の付録「ドラえもんどこでもゆびピアノドレミくん」を機能アップしたもの．本体を腕時計のように右手首に装着し，5本の指先に本体からのびたサック状のパーツを装着する．

写真5　キューブの「ゆび de Piano」 

　右手の親指から小指に向かって，ドからソまでの音が割り当てられており，ラからドは本体上で左手で操作を行う．音階ボタンを複数同時に押すと，和音を奏でることも可能．音色は「ピアノ音」のほかに，「ハンドヘルド音」，「ネコ!?の鳴き声」が用意されており，本体のモード・ボタンで切り替える．色はホワイト，ブラック，ピンクの3色が用意されている．価格は2,940円で，2011年12月に発売された．本玩具は，「イノベイティブ・トイ部門」の優秀賞を受賞した．

●電源不要の赤外線リモコン・カーを展示

　タカラトミーは，コントローラのハンドルを手回しするだけで発電・操縦できる赤外線リモート・コントロール・カー「EDASH」シリーズを展示した（写真6）．コントローラの裏側に収納している充電用コードを車体後方部にある充電コネクタに差し込み，ハンドルを回すと，コントローラ内部の発電機が作動し，車体に充電される仕組みとなっている．コントローラ頭部にある赤外線送信部を車に向けてハンドルを回転させると，赤外線通信により車の前進・後退をコントロールできる．

写真6　タカラトミーの「EDASH」シリーズ

　1回約60秒間の充電で，約90秒間走行する．外観は実車をモチーフとしている．車種は日産自動車の「リーフ」やトヨタ自動車の「プリウス」など．エコカーを選定することで「エコ」のイメージを取り入れているという．

　操作は，ハンドルを前に回すと前進，後ろに回すと後退，ハンドルを速く回すとハイスピード・モードになる．コントローラの青い左右の矢印ボタンを押しながらハンドルを回転させるとフロント・タイヤが動き，左や右にカーブする．発売は2012年7月19日，価格は4,179円．本玩具は，「イノベイティブ・トイ部門」の優秀賞を受賞した．

●親子で楽しむカスタマイズ可能な超小型自動車が登場

　トヨタ自動車は，クルマを走らせ，カスタマイズし，語り合う楽しさを親子がいっしょに体験することで，クルマが持つ「夢・楽しさ」を幅広く伝えることを目指したコンセプト・カー「Camatte（カマッテ）」を展示した（写真7）．外形寸法は全長2,700mm×全幅1,300mm×全高1,200mm，ホイール・ベースは1,800mm．定員3名の超小型車となっている．

写真7　トヨタ自動車の「Camatte（カマッテ）」

　簡単なボディの脱着，カラーやデザインの組み合せのカスタマイズなど，おもちゃ感覚で車体の着せ替えを行える．この「着せ替えボディ」を通じて自動車の部品に触れ，クルマの構造や仕組みを理解することで，親子でクルマに興味が持てるようになるという．シートの配置は，前（運転）席1名，後部座席2名となっている．各シートの間隔を狭め，密着感を高めることで，親子がコミュニケーションをとりながらドライブを楽しめる．

　また「子供も運転できるクルマ」をコンセプトとしており，公道以外（カート場や遊戯施設など）で，子供（ただし身長120cm以上）でも運転が楽しめるように，ペダルとシートの位置を子供用に調整する機能も装備した．その際に，親は後部座席でハンドルやブレーキ操作などを補助し，子供に運転を教えられるようになっている．商品化の予定は，今のところ未定．

きたむら・としゆき