Android携帯ゲームを作って世界に配信してみよう(5) ―― インターネットからデータをダウンロードするアプリを開発する
スマートフォン(携帯電話)アプリの魅力の一つは,常時インターネットに接続しているという前提のアプリケーションを開発できるところである.今回は,AndroidアプリからインターネットにHTTP接続してデータをダウンロードするアプリケーションを開発してみる.(筆者)
エレキ系DIY・連載「Android携帯ゲームを作って世界に配信してみよう」 バック・ナンバ
第1回 まずは小さなアプリからこつこつ作ってみる
第2回 ゲームの基本構造とタップやフリックの処理を学ぶ
第3回 効果音の入れ方とデータの保存処理を学ぶ
番外編 Androidアプリのライフサイクル
第4回 機能追加を効率的に! バージョン管理システムGitを導入する
1.今回のサンプル・アプリを入手する
今回のアプリは,第3回で取り上げたバスケットボール・ゲーム「Dribble」に機能を追加したものです.ゲーム画面の背景画像として,インターネットからダウンロードした画像を表示します.あらかじめソース・コードに固定で埋め込んだ7パターンのURLから画像をダウンロードし,時間帯に応じて合計7パターンの背景画像を表示できます(図1).
図1 インターネットからダウンロードした画像を背景画像として表示している

動作の流れは以下のようになります.
- アプリの初回起動時にインターネットに接続して,指定したURLから画像ファイルをダウンロードし,内部ストレージに画像を保存する.保存した画像を,ゲーム・プレイ中にゲームの背景画像として表示する.
- 2回目以降の起動では,内部ストレージに保存されている画像を背景画像として読み込み,ゲーム・プレイ中に表示する.
●管理されたソース・コードをダウンロードする
前回(第4回)は,バージョン管理システムGitと,ソース・コードの共有サービスgithubの使い方を説明しました.前回のサンプル・ソース・コードをダウンロード(githubからGit経由でpull)しただけで,特にソース・コードを修正していない方は,次の手順でソース・コードを入手してください.
画面左の「Navigator」ペインの「Dribble」プロジェクトを右クリックしてメニューを開いてください.「Team」メニューの「Fetch from Upstream」を選択すると,ローカル・リポジトリを作成したときの,複製(clone)元のリポジトリから,ソース・コードがダウンロードされます(図2).これを,Git用語(コマンド)では「pull」といいます.
図2 最新のソース・コードをダウンロード(pull)する

今回の記事では,「vol5」というブランチで作業を進めます.プロジェクトを右クリックしてメニューを開き,「Team」-「Switch To」からブランチ「vol5」を選択して,切り替えてください注1.
注1:細かく説明すると,「Team」-「Switch To」から「Other...」を選び,Branchesウィンドウで「Remote Tracking」の中から「origin/vol5」を選んで「Checkout」を押す,という手順になる.
なお,ソース・コードをいろいろと修正した方については,前回説明したようにGit上で別のブランチを作って修正を行った場合は上記の手順で問題ありませんが,そうでない場合は,いったんプロジェクトを消去し,前回の解説の通りに再度githubから最新のソース・コードをダウンロードしてください.
●自分独自の修正を施したい場合は?
ダウンロードしたサンプル・ソース・コードを見るだけではなく,いろいろと修正してみたい場合は,修正する前に,次の準備を行ってください.
他人が管理するリポジトリからソース・コードを入手して修正した場合は,デフォルトの「master」ブランチに修正を加えないようにしましょう.直接,「master」ブランチのソース・コードを修正してしまうと,再度リモート・ブランチ(複製元)から「master」ブランチに最新のソース・コードを取り込む際に,自分の作業内容とリモート・ブランチのソース・コードに加えられた作業内容に矛盾が発生し,簡単に変更点を取り込むことができなくなります.
何か作業を行う際は,自分専用(かつ,その作業専用)のブランチを作成して切り替え,そちらで作業することを推奨します.ブランチの作成の仕方については,前回(第4回)の記事を見てください.
●さっそくアプリを実行してみよう
それでは,Androidアプリから,3G回線もしくはWi-Fiを利用してインターネットにHTTP接続し,ファイルをダウンロードしてみてください!!