Android携帯ゲームを作って世界に配信してみよう(1) ―― まずは小さなアプリからこつこつ作ってみる
ここでは,C/C++プログラマ(Java言語未経験者)を対象として,Android携帯電話などで動作するAndroidアプリの作り方について解説する.「携帯ゲームを作って世界に配信する」ことを目標に,毎回少しずつ理解を深める.第1回となる今回は,開発環境の設定やプログラムについて説明する.Java言語とC/C++言語の構文は方言程度の違いしかないので,Java言語の経験がなくても,組み込み系でC/C++言語での開発経験があれば十分である.Androidアプリに関する基礎知識や開発手順を具体的に学びながら,簡単なアプリを開発してみよう.(編集部)
1. Androidアプリとは?
皆さん,Android携帯電話で動くゲーム(Androidアプリ)を作ってみませんか?
Androidとは,Google社が開発・提供する,Linuxをベースとしたスマートフォンやタブレット向けのOSです.日本では,NTTドコモ,ソフトバンク,auやイー・モバイルなどの携帯電話各社のスマートフォンのOSとして採用されています.Androidアプリとは,そのAndroid携帯電話上で動くJavaアプリのことです.Android携帯電話ユーザは,インターネットを経由してAndroidアプリを自由にダウンロードし,利用することができます.
AndroidアプリはJava言語で作られており,開発者の母数も多く,インターネット上に開発に関する情報がたくさん発表されています.またGoogle社が提供するAndroidアプリ配信サイト「Android Market」からは,法人でも個人でも審査なしで即時にAndroidアプリを配信することができます.
Androidは,携帯電話のアプリケーション・プラットフォームとして最も魅力的で将来性があると,筆者は感じています.
●Androidアプリは開発も配信も自由に行える
Androidアプリを開発して配信するまでの流れを図1に示します.
企業でも個人の開発者でも,Androidアプリを自由に開発して世界中に配信することができます.開発環境はGoogle社が無償で提供しており,同じく無償の開発統合環境「Eclipse」と組み合わせれば,すべて無償で開発することができます.なお,Windows向けの開発環境はもちろんのこと,Mac,Linux向けの開発環境も用意されています.本記事は,「Windows」をお持ちの方向けに開発環境の構築手順をご紹介しますが,一部を読み替えていただければ,MacやLinuxでも同じ手順でセットアップすることができます.
開発したAndroidアプリは,Google社が提供するAndroidアプリの検索&販売サイト「Android Market」に登録することで,世界に向けて配信&販売することができます.「Android Market」は,個人でも法人でも誰でも無償で登録でき,かつ配信には審査が不要で,登録すると即時配信されます.
また,Androidアプリを自分のサーバから配信することもできます.なんと,自分独自の「Androidアプリのマーケット」を立ち上げることも可能です.こういった,制約が少ないオープンな環境がAndroidアプリの魅力です.