省エネ性能を一段と高めた冷蔵庫や扇風機,エアコンが一堂に ―― ENEX 2012/Smart Energy Japan 2012
低炭素社会を実現する技術や製品などの展示会「ENEX 2012 / Smart Energy Japan 2012」が2012年2月1日~3日に東京ビッグサイト(東京都・有明)で開催された(写真1).省エネ技術,再生可能エネルギー技術,エネルギー・ハーベスティング技術,スマート・グリッド技術,近距離無線技術などに関連する製品が展示される,カバー範囲の広い展示会だった.来場者数は1万2,377名.
写真1 ENEX 2012/Smart Energy Japan 2012の案内看板
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なかでも来場者の注目を集めていたのが,数多くの省エネ製品である.家電製品を中心に,数多くの省エネ機器が展示されていた.その多くは,省エネ家電普及フォーラムのブースと,平成23年度省エネ大賞の受賞製品を集めたブースに展示されていた.
●冷却器を二つ設けた省エネ冷凍冷蔵庫を展示
東芝ホームアプライアンスは,6ドア・タイプの冷凍冷蔵庫の消費電力量を2005年から2011年にかけて7割近く削減したとの実績をパネル展示していた.2005年には年間の消費電力量が700kWhだったのが,2006年には630kWh,2007年には520kWh,2008年には490kWh,2009年には290kWh,2010年には250kWhと削減してきた.そして2011年には消費電力量を230kWhに下げた冷凍冷蔵庫「VEGETA(ベジータ)」を開発した(写真2,写真3,写真4).
写真2 6ドア・タイプの冷凍冷蔵庫「VEGETA(ベジータ)」の外観
写真3 冷凍冷蔵庫「VEGETA」のカット・モデル(表側)
写真4 冷凍冷蔵庫「VEGETA」のカット・モデル(裏側)
従来の冷凍冷蔵庫では,1個の冷却器が冷凍室と冷蔵室の両方を冷やしていた.冷却器の温度は-25℃である.このため,冷蔵室では室内の水分が冷却器に霜となって付着する.この霜を溶かすためにヒータを必要としていた.
これに対してVEGETAでは,冷却器を2個,設けた.マイナス25℃の冷凍用冷却器とマイナス10℃の冷蔵用冷却器である(写真5,写真6).冷凍室は冷蔵室に比べると水分が少ないので,ヒータの消費電力が少なくて済む.また冷蔵室は冷却器の温度が高いので霜が付着せず,ヒータが不要になる.
写真5 冷凍冷蔵庫「VEGETA」の冷蔵室用冷却器
写真6 冷凍冷蔵庫「VEGETA」の冷凍室用冷却器