電気・電子技術者が自身の知識や技量を測るための"ものさし"を開発(後編) ―― 「E検定」の出題範囲,出題レベルから活用法まで

筧 達也

●結果は数値やグラフで示される

 個人の受験者には,出題分野別正答率,レベル別正答率,総評(総合正答数での順位,得意とする分野,強化学習を必要とする分野など)をまとめた成績表,および受験証明書を発行します(図3).

 

図3 成績表のサンプル

※ 図をマウスでクリックするとpdf版を表示します


 

 また,企業(法人組織)などが「E検定」を利用することもできます.この場合は,総合正答率や正答率の分布,企業の出題分野別正答率,実務経験年数と成績の関係分析結果注2,業務内容と成績に基づいた弱点分野の強化策などをフィードバックします(図4,要望に応じて,評価結果の内容や分析方法は変わります).

注2:これらの分析を行うには,組織および受験者に関するデータを事前に提供していただく必要があります.

 

図4 法人向け採点結果のサンプル

※ 図をマウスでクリックするとpdf版を表示します

 

 

●「E検定」は技術者個人にも企業にも役立つ

 「E検定」の結果をどう活用するかは,人によって異なると思います.ここでは筆者らが想定している「E検定」の使い方をまとめます.皆さんが活用方法を検討する際の判断材料になれば幸いです.

1) 電子・電気分野の技術者にとって
 自身のエレクトロニクスに関する知識や技量の程度を客観的に知ることができます.また,不得意な分野が明確になります.

2) 学生または転職者にとって
 「E検定」を受験しスコアを企業に示すことにより,客観的に自己の技術力をアピールできます(言葉による説明だけで自己の技量を示すより説得力が増す).

3) 電子工作やアマチュア無線などを趣味としている人にとって
 4者択一なので,クイズ感覚で電気・電子関係の知識の力試しができます.

4) 企業の技術部門にとって
 自部門の技術者の技量を定量的に把握できます.グループ企業内での技術力格差を認識し,是正できます.教育担当部門の課題が明確になります.

5) 企業の採用部門にとって
 採用に当たって,求める技術者像の目安となります(入社試験的な意味合いで利用できます)

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 筆者らは「E検定」は,エレクトロニクス分野における技量を計るための普遍的なものさし,または現状分析の有力なツールとなることを念頭に開発しました.本試験制度がエレクトロニクス関連メーカの技術者の方々のレベル向上,ひいては日本の技術力向上に寄与することを願ってやみません.

 

かけひ・たつや
(株)フュートレック 経営企画部 新規プロジェクト課


筆者プロフィール
筧 達也(かけひ・たつや).愛知県出身.工学部 電気工学科卒業後,おもに電子機器メーカにてアナログLSI関連の製造プロセスや回路の設計開発に従事.2006年よりフュートレックにてセンサ用アナログLSIの回路開発に従事.現在は,同社にて電子技術者用検定試験の開発を中心に活動.趣味はJPOP,絵画鑑賞,CGやイラスト作成など.


※「E検定 ~電気・電子系技術検定試験~」およびそのロゴ・マークは,フュートレックの登録商標または商標です.

 

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