はんだボイドが大幅に減る真空リフロはんだ付けに関心が集まる ―― 第41回インターネプコン ジャパン
●ハロゲンフリーで,かつ鉛フリーのはんだペーストが続々
はんだ合金では,鉛フリーとハロゲンフリーを兼ね備えたはんだペーストの展示が目立っていた.
日本スペリア社は,リフロ加熱の温度が低くて済む,すず亜鉛(Sn-Zn)系合金のハロゲンフリーはんだペースト「LF-Z3 PF-14 D3」を参考展示していた(写真7).大気中雰囲気,ピーク温度225℃でリフロはんだ付けができる.
写真7 すず亜鉛(Sn-Zn)系合金のハロゲンフリーはんだペースト「LF-Z3 PF-14 D3」(参考展示)
はんだメーカのニホンゲンマは,3種類のハロゲンフリーはんだをパネル展示していた(写真8).一つは銀の含有量を減らした低銀タイプのはんだペースト「PW231-LH-GZ/PW233-LH-GQ」である.PW231の合金組成はSn-1Ag-3Bi-0.5Cu,PW233の合金組成はSn-0.3Ag-3Bi-0.5Cu.大気中雰囲気でリフロはんだ付けできるとする.もう一つは,低銀タイプのヤニ入りはんだワイヤ「NH-3-NP103」である.NP103の合金組成はSn-0.3Ag-0.7Cu.最後は,米国Apple社の社内規格に対応した低銀ヤニ入りはんだワイヤ「YH-4-NP103」である.
写真8 ハロゲンフリーで銀の含有量を減らした低銀タイプの鉛フリーはんだ
はんだメーカの弘輝も,ハロゲンフリーの鉛フリーはんだペースト「S3X48-M500-2」をパネル展示していた(写真9).はんだ合金は「SAC305」である.既存のハロゲンフリー品に比べ,はんだボイドの面積比率を低減したのが特徴である.
写真9 ハロゲンフリーのSAC305系鉛フリーはんだペースト「S3X48-M500-2」の説明パネル
弘輝はまた,モバイル機器の実装で普及しているPoP(Package on Package)に対応した鉛フリーはんだペーストをパネル展示していた(写真10).半導体パッケージ(BGA)のボールにはんだペーストを転写し,下側の半導体パッケージ基板と接続する.フラックスを転写するPoP技術に比べ,ボールの外形寸法のばらつきやパッケージ基板の反りなどを許容する範囲が広く,接続不良が発生しにくいとう.
写真10 PoP実装に対応した鉛フリーはんだペースト
ふくだ・あきら
フリーランステクノロジーライター
http://d.hatena.ne.jp/affiliate_with/