電子マネーから拡張現実,エコ発電まで,ハイテク技術を駆使する電子玩具が続々 ―― 東京おもちゃショー2011
●バトル・ゲームの武器は『定規』
ハピネットは,定規を武器にして戦うバトル・ゲーム,ブングギアシリーズの一つである「対戦型文具 ビタオシジョーギ」を展示した(写真5).本ゲームは,定規の基本機能を備えつつ,LEDの光を止めて対戦する玩具となっている.
写真5 ハピネットの「ビタオシジョーギ」
対戦モードは,搭載している赤外線通信によって相手のLEDを攻撃し,ライフ・ゲージをゼロにしたら勝利,というシンプルなルール.攻撃の種類はアタック,リカバ,カウンタの三つがある.それぞれの攻撃特性により異なる必殺技を決めると,相手のライフ・ゲージを攻撃できる.
対戦モードには「フルバトル」と「ショートバトル」が用意されている.「ショートバトル」は,ランダムに選ばれた五つののライフLEDを消しあう短時間バトル.必殺技が使えないので,目押しのテクニックが試されるという.また,一人でも遊べるように,「1Pモード」(ジャスト・タイミング,リズム・ゲーム,連打ゲーム)が搭載されている.
本体色として,フレアレッド,アクアブルー,ライトニング・グリーンの3色がある.いずれもクリア仕様となっているため,内部の基板の様子を見ることができる.
●電池不要で光って音が鳴るハイブリッド・ミニカー
メガハウスは,電池が不要で,光って音が鳴るハイブリッド・ミニカー「エコロ」を展示した(写真6).第1弾のラインナップは,パトカー,電車,タクシーなど6種類となっている.本体に,手転がしのアクションを電気に変換する「エコ発電機」を搭載する.これによって手で車体をコロコロ動かすと,ライトが光り,サイレンなどの音が鳴る仕組み.「楽しみながら電気の大切さやエコロジを体感して欲しい」という思いから開発したという.
写真6 メガハウスの「エコロ」
同様のコンセプトのミニカーに,タカラトミーの「テコロジートミカ」シリーズがある.
●鍵盤と弦楽器を合わせたユニークなインターフェースを装備
学研ステイフルは,鍵盤と弦楽器を合わせたような,ユニークなインターフェースを持つ電子楽器「ウダー」(製作者は宇田道信氏)を展示した(写真7).本電子楽器は,両手で持ち,配置されている黒いロープを押すことによって音を出す.
写真7 学研ステイフルの「ウダー」
ロープを強く押せば,大きな音が出る.音程はロープのどこを押すかで決まってくるが,基本となる「ド」の音の位置が決まっていないという.ロープは輪ではなく,1本の長いロープが螺旋状に,左右に1本ずつ左右対称に巻かれている.左右共にロープの内側の端が一番低音,外側の端が一番高音となっている.音程は一周で1オクターブの比率で連続に並んでいる.つまり30度で半音,60度で全音,15度で半音の半分の音程が変化することになる.
本電子楽器は,2011年11月に「大人の科学」の付録として販売される予定.
きたむら・としゆき