PICマイコンを使って測定ツールを作ってみよう(3) ―― Visual BasicでPICマイコンを制御する
処理の中心は,MSComm1_OnComm関数です.
コマンド・ボタンでコマンドをマスタのPICマイコンに送信すると,PICマイコンから応答が戻ってきます.PINGの場合は,指定したIDから応答が戻ってきます.マスタ,スレーブのPICマイコンのフレームの中にある応答メッセージのテキスト・ボックス内に表示されます.
リセットの場合は,マスタだけに応答メッセージが戻ってきます.リードの場合は,指定されたIDのPICマイコンの各メモリ・アドレスの内容が応答メッセージに表示されます.ライトの場合は,書き込まれた結果のみが表示されます.
今回は,単にメッセージを8×1文字液晶ディスプレイの画面に送りこむだけにします.次回は,スレーブのPICマイコンから,返信としてカウンタ値とADC値を得るようにします.すでにADC機能は動作しているので,スレーブのPICマイコンを各部屋に置き,温度センサや照度センサを接続して,各部屋の照度や気温を測定することも可能です.
図12にFormウィンドウを示します.
* * *
以上が簡単なプログラムの説明です.RS-485のネットワークは設置が簡単なため,小規模なシステムではよく使われています.筆者がお手伝いした案件では,セキュリティ・ボックスの開閉記録に使われていました.同じように,駅のコイン・ボックスなどにも適用可能です.
次回はA-Dコンバータを使い,電圧測定や電流測定に使える基板に仕上げます.温度センサやガス・センサ,マイク・センサ,照度センサなど,応用も多岐にわたります.ご期待ください.
なかにし・しろう
(有)NSL