次世代照明を狙う有機ELの発光効率が向上 ―― ライティング・フェア2011 / IC CARD WORLD 2011レポート
●スタンド形の白色有機EL照明を展示
三菱電機オスラムは,白色有機ELパネルを搭載したスタンド形の照明器具を参考展示した(写真7).円盤状の有機ELパネル5枚を組み合わせた,オブジェのようなスタンドである.有機ELパネルは直径が79mm,色温度が2800K,光束が14.95lm,定格消費電力が0.65W(写真8).
写真7 白色有機ELパネルを搭載した照明スタンド(三菱電機オスラム)
台座の上で光っているのは白色LED.
写真8 円盤状の白色有機パネルを組み込んだモジュール(三菱電機オスラム)
またパナソニック電工は,照明用白色有機ELパネルを透明な壁面にならべて展示していた(写真9,写真10).
写真9 照明用白色有機ELパネルを並べて展示(パナソニック電工)
写真10 照明用白色有機ELパネル(パナソニック電工)
●ホログラム技術でカードの模造を防ぐ
また同じ東京ビッグサイトの展示会場では,ICカードとICタグの製品と技術に関する展示会「IC CARD WORLD 2011(ICカード・ICタグ総合展)」(主催:日本経済新聞社)が2011年3月8日~11日に開催された(写真11).
写真11 IC CARD WORLD2011の展示会場入り口
大日本印刷は,ホログラムを内蔵した巨大なクレジット・カードの模型を展示し,模造品製造の防止手段としてのホログラム技術をアピールしていた(写真12).埋め込んだホログラムはリップマン・ホログラム技術による地球の立体画像で,見る角度の違いによって2種類の立体画像を確認できる.
写真12 ホログラムを埋め込んだ巨大なクレジット・カード(大日本印刷)
RF IDタグ関連では,共通技術規格「NFC(Near Field Communication)」に準拠したタグやカードなどの企画展示コーナー「NFCパビリオン」が目を引いた.同パビリオンでは,クレジット・カード大手「MasterCard」の非接触ICカードによる電子決済サービス「PayPass」の参考展示が興味深い(写真13).説明員によると,PayPassは日本ではまだ普及していないものの,世界全体で約27万5000の店舗が導入しており,特に欧州では普及が進んでいる.日本ではこの1月~3月に実証実験を実施しているところだ(写真14).
写真13 非接触ICカードによる電子決済サービス「PayPass」の概要
写真14 PayPass実証実験の概要
ふくだ・あきら
テクニカルライター/アナリスト
http://d.hatena.ne.jp/affiliate_with/
tag: IC CARD WORLD, RFID, セキュリティ, モジュール, ライティング・フェア, 市場動向, 電子部品