マイクロソフトやSCEが体感型ゲーム機を披露,任天堂を追撃 ―― 東京ゲームショウ 2010

北村 俊之

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レポート 2010年9月21日

 2010年9月16日~19日の4日間,幕張メッセ(千葉県美浜区)にて,ゲーム関連の展示会「東京ゲームショウ 2010」が開催された(写真1).16・17日はビジネス・デイ,18・19日は一般公開日である.主催は日本コンピュータエンターテインメント協会(CESA)


写真1 会場全体の様子  ※ 写真をクリックすると拡大できます

 

 今年のテーマは「GAMEは,新章へ」.ゲーム産業を取り巻く環境は年々変化しており,最近ではゲーム専用機に加えて,携帯電話やスマートフォンなどの汎用端末の利用が増えている.また,SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)によるゲーム・サービスの市場も拡大している.さまざまな技術革新により,新たな表現によるゲームが提供されており,エンターテインメント体験の幅が拡大している.

 こうした変化を背景に,世界最大規模の家庭用ゲームの見本市である本展示会は,「アジアNo.1の情報網羅性」と「世界最大規模のイベント」という中期ビジョンを掲げている.従来から進めてきたゲーム・ビジネス関連の企画を強化する一方で,アジアを中心とした海外からの一般ユーザの来場促進を目的に,エンド・ユーザ向けの新しい企画やイベントを導入している.

 日本をはじめ,アジア,北米,欧州など14の国と地域から,194の企業・団体(国内103,海外91)が出展した.展示会場内にはモバイル・コーナが設けられ,iPhone/iPadAndroidが来場者の注目を集めていた(写真2).iPhone/iPadのコーナでは,60タイトル以上のゲームが展示された(写真3).


写真2 Androidコーナのセッション


写真3 iPadコーナのデモの様子

 

●カメラとセンサを組み合わせる体感型の家庭用ゲーム機が続々

 今回の展示で来場者の注目度が最も高かったのは,マイクロソフトとソニー・コンピュータエンターテインメント(SCE)がそれぞれ発表した体感型の新ゲーム・システム「Xbox 360 Kinect(キネクト)」と「PlayStation Move(ムーブ)」だろう.

 マイクロソフトの「Kinect」は,「Xbox 360」のオプション品として2010年11月20日から出荷を開始すると発表されている(写真4).今回のゲームショウが初のお披露目となった.「Kinect」はコントローラを使わず,自分自身の身体を使って直感的に遊べる新しい形のユーザ・インターフェース・システムである.Xbox 360本体に接続された「Kinectセンサー」がプレーヤ自身の身体の動きや音声を認識する仕組みとなっている.コントローラの操作を覚える必要がなく,直感的にゲームが楽しめるのが特徴となっている(写真5).


写真4 マイクロソフトの「Xbox 360 Kinect(キネクト)」


写真5 「Kinect」のプレイ風景

 

 シングル・プレイだけでなく,2人で協力するマルチプレイにも対応している.例えば,1人でプレイ中に,もう1人がセンサの前に立てば,その場でゲームに参加できる.また,手振りや音声だけでXbox 360を操作できるので,映像や音楽などの再生,早送りやシーンの選択などの操作を,コントローラを使わずに実行できる.

 Kinectは,北米では2010年11月4日,欧州では2010年11月10日に発売される.日本での希望小売価格は14,800円で,Xbox 360(4Gバイト版)とのセット品(29,800円)の発売も予定されている.対応ソフトウェアについては,コナミデジタルエンタテインメントのダンス・ゲームなど10作品が年内に発売される予定.

 これに対抗するSCEの「Move」は,「PlayStation 3」用のUSBカメラ「PlayStation Eye」と「Moveモーションコントローラ」を組み合わせた体感型ゲーム・システムである.Moveモーションコントローラは,プレーヤの動きを検出する3軸のジャイロ・センサ,3軸の加速度センサ,地磁気センサを搭載する.USBカメラのPlayStation Eyeと組み合わせ,ユーザの絶対位置を,コントローラの先端のスフィア(光球)の動きを読み取ることで検知する.テニス・ラケットを振る際の動きや,筆を利用して絵や文字を描く動きなどを,正確にゲーム内で再現し,ユーザがゲームの中にいるかのような操作を可能としている(写真6).


写真6 「PlayStation Move(ムーブ)」のプレイ風景

 

 また,PlayStation Eyeを利用して取り込んだ音声やプレーヤ自身の映像とゲームの画面を合成することにより,現実世界とモーション・コントローラの世界を融合させた拡張現実(AR)的なゲームも実現できる.これとは別に,モーション・コントローラのみでは難しい細かい操作を行える片手用コントローラ「PlayStation Moveサブコントローラ」も発売する.

 発売時期は,欧州が2010年9月15日,北米が2010年9月19日,日本が2010年10月21日.Moveモーションコントローラの価格は3,980円.また,Moveモーションコントローラ,カメラ,専用ソフトが同梱された「PlayStation Move スターターパック」(5,980円)も2010年10月21日に発売する.このほか,Blu-Rayディスクの3D映像の再生を可能にするPlayStation 3向け「システムソフトウェア バージョン3.50」の配信を,2010年9月21日より開始することも明らかにした.

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