新人研修にプロジェクト型ロボコンを導入 ―― モチベーションを上げながら即戦力を育てるエンジニア教育

組み込みネット編集部

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レポート 2010年7月14日

●ねらいはプロジェクト型開発体験

 同社がロボット・コンテストを新入社員研修に導入したのは,2009年からである.それまでは,例えば新入社員研修で「ホウレンソウ(報告,連絡,相談)が重要」と教えても,新入社員はそれを実行する機会がないまま現場に配属されるので,教わっていても実際には実践できないことが多かったという.そこで,研修期間の中で開発プロジェクトを擬似的に体験することにより,研修で教わったことを実践する機会を与え,使える技術として身に付けてもらおうと考えた.

 4~5月にマナー研修やプログラミング言語研修,マイコン・ボードを使った研修などを実施し,6月をこのロボット開発にあてた.ロボットの設計から製作,プログラミング,テスト,プレゼンテーションの準備などを3週間程度で行った.

 プロジェクトのかじ取り役として,現場の先輩社員をプロジェクト・マネージャとして各チーム1名ずつ割り当てた.プロジェクト・マネージャは1日1回以上電子メールでやりとりを行い,週に1回以上研修室を訪れて,プロジェクトの進捗を管理したり,相談に乗ったりする.また,チーム・メンバそれぞれが役割を担えるように目配りする役割も担っている.このようにプロジェクト・マネージャがチームに入ることにより,特定のメンバに負荷が偏らないようにした.また,プロジェクト・マネージャの中には,週に2~3回ほど研修室に顔を出す人もおり,新入社員のモチベーションも高まったようだ.

 プロジェクト型開発をロボット・コンテストとして実施したのには,作り上げた達成感やものづくりの喜びを味わってほしいという意図がある.また,チームの中には多様な役割があり,メンバそれぞれが自分の役割を見つけることの重要性を体験的に学んでほしいという思いもあるという.

 今年の対戦競技は3チームの総当たり戦で行ったが,対戦相手は多いほうがおもしろそうなので,興味のある企業があれば合同で競技会を実施したいと考えているという.

 

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