Twitterを使って技術系コミュニティを立ち上げよう!(3) ―― 舞い込んだ出会いとMATLABコンテスト
●Ned GulleyとMATLAB Central
MATLABコンテストを主催しているMATLABユーザ・コミュニティ「MATLAB Central」の運営チームのリーダーを務めるのが米国MathWorks社のNed Gulleyです(写真1,図3).彼はJeff Howe著「クラウドソーシング」でインタビューを受けたほか,自らもMATLABコンテストについていくつか論文を発表しています.彼に,日本のWikiばなの会合でMATLABコンテストが話題になり,それがTwitterで流れたことを伝えました.
写真1 Ned Gulley氏
図3 ユーザ・コミュニティ「MATLAB Central」
毎月のアクセス数は100万件に及ぶ.
MATLAB Centralはコンテストだけでなく,ニュースグループや,誰もが自由にMATLABプログラムを無料で公開したりダウンロードしたりできるFile Exchangeというシステムを常時運用しています.数多くの有用なプログラムが公開されており,これも「集合知」の成果であると言えると思います.利用者が増えれば増えるほど,集合知の利用価値は高まることになりますので,Ned Gulleyは,日本でMATLABコンテストが話題になったことを喜んでくれました.その結果,「日本のユーザにもコミュニティの資産を活用してもらいたい」という話が,Twitterをきっかけに生まれたのです.
●2010年春,ルールの日本語訳を併せて公開
2010年のMATLABコンテストは,日本のゴールデン・ウィークと重なる2010年4月28日~5月5日に開催されました.今回のテーマは,ディジタル・カメラに搭載されているセンサを題材にしました.センサ上の画素値を一挙に取得するのではなく,サンプリングを行って制限時間内で必要最小限の画素データを取得し,しかも元の画像をなるべく忠実に復元するという課題です.Ned Gulleyの協力により,コンテストのルールを日本語に訳して公開しました.また,コンテストの模様を随時Twitterでアップデートしたところ,日本からも数名の参加がありました.最終的には1週間のコンテスト期間中,世界で182人,合計4,814件のエントリがありました.