簡単・便利に多機能・高品質化するディジタル・カメラを展示 ―― CP+(Camera & Photo Imaging Show) 2010レポート

北村 俊之

tag: 組み込み

レポート 2010年3月16日

 「広がるフォトイメージングの世界をヨコハマから」をテーマに,2010年3月11日~14日の4日間,フォト・イメージングに関する総合展示会「CP+(シーピープラス)」がパシフィコ横浜(神奈川県横浜市西区)にて開催された(写真1).本展示会は,昨年(2009年)まで「PIE(Photo Imaging Expo)」という名称で開催されていた.これまでのカメラや写真・映像に関する技術や製品,サービス,関連情報に加えて,今後のディジタル・フォトに不可欠なディジタル家電や通信,ネットワークなどの分野まで対象を拡大した.いわゆる「B to B」だけでなく,「B to C」を網羅した展示会に衣替えした.主催は一般社団法人 カメラ映像機器工業会(CIPA).


写真1 会場受付の様子

 

 

●有効画角41mm相当のレンズを搭載するコンパクト・デジカメを展示

 シグマは,2010年2月22日に発表したレンズ交換式ディジタル一眼レフ・カメラ「SD15」やコンパクト・ディジタル・カメラ「DP1x」,「DP2s」などを展示した(写真2).同社のディジタル・カメラは,米国Foveon社が開発したFoveon X3という独自のCMOSイメージ・センサを採用している.他社のイメージ・センサは,一般に光の3原色のうちの1色のみを取り込み,演算によってほかの色を求めている.一方,Foveon社のCMOSセンサは3層構造の画素により光の3原色を直接取り込める.そのため,画質面で有利とされている.

 「DP2s」は,有効画角41mm相当(35mmカメラ換算)の新開発の標準レンズを搭載している.これにより,スナップやポートレートなど,撮影モードに適した標準域の焦点距離を採用できるようになったという.同社では,Foveon X3イメージ・センサ用の画像処理エンジン「TRUE II」を開発しており,「DP2s」もこれを採用している.イメージ・センサのサイズは20.7mm×13.8mm,総画素数は14.45Mピクセル,有効画素数は14.06Mピクセル.現段階では,発売時期は未定とのこと.


写真2 シグマの「DP2s」

 

 

●ムービ一眼レフ・カメラがタッチ・パネルを採用

 パナソニックは,2010年3月9日に発表したマイクロフォーサーズ規格に準拠したディジタル一眼レフ・カメラ「LUMIX DMC-G2」や小型・軽量のムービ一眼レフ・カメラ「LUMIX DMC-GF1」などを展示した(写真3).同社によると,「DMC-G2」はレンズ交換式のディジタル・カメラとしては初めて,タッチ・パネル付きの液晶モニタを搭載したという.画面上の被写体に触れることで,焦点を合わせられる.また,ピントの合う範囲の調整やシャッタ操作もタッチ・パネルで行える.液晶モニタは自由に角度を変えられるバリアングル型.

 また,AVCHD(Advanced Video Codec High Definition;ハイビジョン映像をビデオ・カメラで記録するための規格)のサブセットであるAVCHD Liteによる動画撮影機能も搭載しており,最大1,280ピクセル×720ピクセルの解像度で撮影できる.AVCHD Liteのほか,MotionJPEG形式でも撮影できる.動画の撮影時に光学ズームを利用すると,焦点距離の約3.1倍の望遠効果を得ることができる.2010年4月28日に発売の予定.


写真3 パナソニックの「LUMIX DMC-G2」

 

 

●コンパクト・デジカメにプリンタを搭載

 ポラロイドは,プリンタを内蔵するコンパクト・ディジタル・カメラ「Polaroid Two」を展示した(写真4).本カメラでは,撮影して1分足らずで約5cm×7.5cmの写真を印刷出力できる.ディジタル・カメラの画素数は5.0Mピクセルで,3.0型ブライト・カラー液晶モニタを搭載している.米国ZINK Imaging社が開発したZink Zero Inkプリント技術を採用しており,インクを使わないプリントを実現した.画像を表示して印刷前にトリミングを行ったり,日付やプリント番号を印刷することも可能.セピア調やモノクロでの印刷にも対応する.撮影した写真をカメラの内蔵メモリ(16Mバイト)やSD/SDHCカードに保存し,後から印刷することも可能.


写真4 ポラロイドの「Polaroid Two」

 

 

●低価格を実現した光学15倍ズーム搭載ディジタル・カメラを展示

 ジェネラル・イメージング・ジャパンは,GEブランドのディジタル・カメラを出荷している.本展示会では15倍ズーム機能を備えるディジタル・カメラ「GE-X15」を展示していた(写真5).価格は2万円程度になる予定.

 本ディジタル・カメラは,有効画素数が14.10MピクセルのCCDイメージ・センサを搭載する.白トビや黒ツブレを防止するHDR(ハイダイナミック・レンジ)機能や人物の顔を検出して自動的に露出やホワイ・トバランスを調整するFace AE機能などを備えている.35mmカメラ換算の焦点距離は27mm~405mmとなっており,GEの技術である非球面ED(Extra-low Dispersion)ズーム・レンズを採用している.手ぶれ補正機能は光学式で,GE独自のパノラマ自動合成機能「パンショットパノラマ」も搭載している.発売は2010年6月ごろを予定している.


写真5 ジェネラル・イメージング・ジャパンの「GE-X15」

 


●マイクロフォーザーズ規格に準拠した小型一眼レフカメラ

 オリンパスイメージングは,E-P1/P2に続くマイクロフォーサーズ規格に準拠した小型のディジタル一眼レフ・カメラ「OLYMPUS PEN Lite E-PL1」を展示した.外形寸法は114.6mm×41.5mm×72.2mm,重量は296g.イメージ・センサとして,有効画素数が12.30Mピクセルの4/3型ハイスピードLiveMOSセンサを採用する.主に初心者のカメラ・ユーザをターゲットにしているという.

 手ぶれ補正機能は,センサ・シフト方式を採用する.新たに導入された「ライブガイド」は,撮影モードの一つであるiAUTOモードの専用インターフェースで,「色の鮮やかさを変える」,「色合いを変える」,「明るさを変える」,「背景をぼかす」,「動きを表現する」といった画像処理の操作を,画面に現れるスライダを使って直感的に行える.また,子供やペット,花,料理を撮影する際のヒントや,構図を工夫する「撮影ヒント」の機能も備えている.同社のカメラが搭載するアート・フィルタ機能も,「ポップアート」,「ファンタジックフォーカス」,「ラフモノクローム」,「トイフォト」,「ジオラマ」,「ジェントルセピア」の6種類が用意されている.


写真6 オリンパスイメージングの「OLYMPUS PEN Lite E-PL1」

 

 

きたむら・としゆき 

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